自動車の歴史はメルセデス・ベンツの歴史

メルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツのエンブレム、スリーポインテッドスター

自動車の歴史は、ダイムラー(メルセデス)ベンツの歴史でもあった。1886年にカール・ベンツが世界初のガソリン自動車(パテント・バーゲンという鋼管フレーム三輪自動車)を世に送り出して以来、自動車の進化の軌跡には、常に、ダイムラー・ベンツの存在があったと言って過言ではない。
ベンツ・パテント・モーターカー

1886年にカール・ベンツが世に送りだした「ベンツ・パテント・モーターカー」。ガソリンエンジンを搭載しハンドルで前輪を操舵する新しい乗り物として特許を受けた

現ダイムラー社の前身であるダイムラー・ベンツ社は、カール・ベンツの会社と、ゴッドリープ・ダイムラー&ヴェルヘルム・マイバッハの会社が合併して生まれたものである。結果的には、“ベンツ”が乗用車ブランドのいち名称となり、ダイムラーのほうが社名として今に残った。このあたり、ゴッドリープ・ダイムラーのエンジニアとしての功績が多大であったということの証とも言えるだろう。

ちなみに、乗用車ブランド全ての接頭名となった“メルセデス”とは、黎明期にダイムラーとマイバッハを支援し、彼らの作ったマシンでレースを戦った人物の娘の名前であると言われている。彼らの創り出すクルマたちに優雅な趣を加えた、素晴らしいネーミングである。
メルセデス・ベンツSクラス

Sクラスのラインナップ。セダンやクーペ、カブリオレをラインナップ。AMGやマイバッハも用意される

現代のダイムラー社には、メルセデス・ベンツ、メルセデス・AMG、メルセデス・マイバッハ、そしてスマートという4つの乗用車ブランドがある。メルセデス・ベンツがその中心であり、AMGは高性能バージョン、マイバッハは超高級バージョン、スマートはコンパクトミニ、という位置づけになっている。

クルマの基本性能を磨きあげつつ、運転支援システムに代表される先進安全装備や、様々なパワートレーンによる燃費・環境対策などによって、現代社会からの厳しい要求に応え続ける姿勢は、今も尚、自動車界のリーダーと言うにふさわしい。

ブランドのとば口となるCセグメント

FFプラットフォームをもつ、メルセデスシリーズで最もコンパクトなグループ。ハッチバックのAクラスを基本とし、様々なバリエーションでブランドのとば口となっている。

■Aクラス
メルセデス・ベンツAクラス

メルセデス・ベンツAクラス

スポーティなデザインが特徴のハッチバックコンパクト。メルセデスの入門モデルである。エクステリアに負けず、インテリアもスポーティで、若い世代をターゲットとしたことが分かる。事実、最新ラインナップはAMGスタイルやスポーツがメインだ。マイナーチェンジ以降、乗り味にもメルセデスらしさが出てきた。過激なホットハッチスポーツが欲しい人には、メルセデスAMG A45 4マチックという手も。

■Bクラス
メルセデス・ベンツBクラス

メルセデス・ベンツBクラス

Aクラスよりも背が高く、居住性を重視したモデル。乗車定員こそ5名ながら、ミニバンライクな使い方もできる、ファミリーユースにも適したメルセデス・ベンツの入門モデルだ。

■CLA
メルセデス・ベンツCLAクラス

メルセデス・ベンツCLA

AクラスのFFプラットフォームに流行りのクーペフォルム4ドアサルーンを被せた人気のモデル。従来のCクラス程度のサイズ感はあって、プライベートサルーンとして十分に使えるモデルだ。ルーフを延長し積載性を高めたシューティングブレークや、高性能版のAMG A45 4マチックも用意する。

■GLA
メルセデス・ベンツGLAクラス

メルセデス・ベンツGLA

Aクラス4マチックのシャシーをベースに、コンパクトなSUVスタイルを実現する。Aクラスファミリーのなかでも最もスタイリッシュで、乗り味も素直。非常に扱い易いモデルだ。高性能版のAMG GLA45 4マチックの設定もある。

“真のベンツらしさ”はDセグメントから

80年代の190シリーズを原点とする、FRプラットフォームのサルーンを軸とした、メルセデス乗用車ラインナップにおける中核のグループだ。真のベンツらしさはFRモデルでなければ味わえない、という昔ながらのファンにとっては、このクラスが入門モデルとなるだろう。

■Cクラス
メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツCクラス

セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレというボディバリエーションで展開されている。特にセダンは、メルセデス・ベンツの量販モデルとして、Eクラスと双璧をなす存在だ。ガソリンターボモデルのほか、4WD仕様、ディーゼルターボ、プラグインハイブリッドと、パワートレーンのバリエーションも豊富。予算と目的に併せて、選ぶことができる。もちろん、AMGモデルのC43やC63といった高性能バージョンもラインナップ。程よいサイズの高性能車として人気を呼んでいる。

■GLC
メルセデス・ベンツGLC

メルセデス・ベンツGLC

メルセデス・ベンツGLCクーペ

メルセデス・ベンツGLCクーペ

GLCとは、SUV=GLでDセグメント=Cに属するモデル、を意味している。Cクラス相当のSUVというわけだ。それゆえ、その乗り味のたおやかさではCクラスも顔負け。Cクラス同様、ガソリンターボ、4WD、ディーゼルターボ、プラグインハイブリッド、63AMG、と豊富なラインナップを用意する。また、SUVながら流麗なロールーフフォルムをもつGLCクーペも用意。新たなスペシャリティカーとして高い評価を得た。

■SLC
メルセデス・ベンツSLC

メルセデス・ベンツSLC

従来はSLKと呼ばれた2座のオープンスポーツカー。伝統的にリトラクタブルハードトップ(=バリオルーフ)を持つ。4気筒ガソリンエンジンを2種類ラインナップするほか、AMG43モデルも用意した。

ブランドの大黒柱となるEセグメント

メルセデス・ベンツ車の乗用車グループにおいて、大黒柱と言えるのがアッパーミドルクラスのEセグメントグループだ。もちろん、FRプラットフォームを使っている。

■Eクラス
メルセデス・ベンツEクラス

メルセデス・ベンツEクラス

乗用車のスタンダードとして名高いEクラス。セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレというボディスタイルのラインナップは、“その昔”からの伝統である。そういう意味でも、今なおメルセデス・ベンツの乗用車を代表する一台だ。それゆえ、パワートレーン(ガソリンターボ、ディーゼルターボ、プラグインハイブリッド)やトリムデザインの選択肢も豊富。メルセデスAMGモデルも43と63、63Sと幅広く揃っている。

■GLE
メルセデス・ベンツGLE

メルセデス・ベンツGLE

メルセデス・ベンツGLEクーペ

メルセデス・ベンツGLEクーペ

Eクラス相当のSUV(=GL)。ロールーフスタイルのクーペも用意。そのスタイリッシュさはクラス随一で、それゆえ人気も高い。いずれのボディタイプでも、標準モデルはディーゼルターボを積んでいる。ガソリンエンジンが欲しければ、AMG43もしくはAMG63を選ぶことになる。

■CLS
メルセデス・ベンツCLSクーペ&シューティングブレーク

メルセデス・ベンツCLSクーペ&シューティングブレーク

スタイリッシュなクーペフォルムの4ドアサルーンとして、一躍人気モデルに。第二世代はすでに生産を終えており、間もなく第三世代が日本市場にも導入される予定だ。

最もメルセデスらしいFセグメント

最もメルセデス・ベンツらしいカテゴリーといえば、今も昔もやはり、大型サイズのFRモデルをラインナップするFセグメントグループだ。メルセデスのすべての最新技術は、このクラスから導入され、下位へと波及する。

■Sクラス
メルセデス・ベンツSクラス

メルセデス・ベンツSクラス

元来、大型で高機能な乗用車が主流をしめていたメルセデス・ベンツ。それゆえ、高額車となり、高級車となった。そういう経緯なので、Sクラスこそがブランドの本流を継ぐモデルであると言って間違いない。広く自動車界を見渡しても、ライバルの増えた今なお、高級車の代名詞として君臨する。ボディタイプはサルーンで、標準ホイールベースとロングの2仕様を用意。4WD の4マチックや、12気筒モデルも設定されている。注目グレードは新設計の最新ストレート6を積むS450ISG。AMGの63(V8)、65(V12)のほか、マイバッハもSクラスがベースとなっている。

■GLS
メルセデス・ベンツGLS

メルセデス・ベンツGLS

大型=Sの、SUV=GL。ディーゼルターボとガソリンターボ、AMG63を用意。オフロードの高い走破性と、オンロードのラグジュアリーな乗り心地を両立する、最高級SUVだ。

■SL
メルセデス・ベンツSL

メルセデス・ベンツSL

メルセデス・ベンツの代表的な、そして伝統的な2シーターオープンスポーツカー。2011年デビューの現行モデルは6世代目にあたり、フルアルミニウムボディシェルを採用し、リトラクタブルハードルーフ(=バリオルーフ)を備えた、快適なスポーツGTだ。軽快なハンドリングのSL400、豪快なGTのSL550、そしていっそう過激なSL63&SL65というAMGモデルという4グレード展開。

スポーツカーからクラシカルなSUVまで

■Gクラス
メルセデス・ベンツGクラス

G350dをベースとした日本限定(463台)のヘリテージエディション(1190万円)

先頃、フルモデルチェンジしたばかりのGクラス。現行モデルとしては、最後の限定車に注目が集まっている(G350dヘリテージエディションとG550デジーノマグノエディション)。説明不用のクラシックなスタイルが人気。SUVとしては別格の存在だ。乗り味もまた相当にクラシックで、無骨とも言えるほど。ディーゼルモデルのG350dが人気だが、ガソリンV8の550や、AMGのG63、G65もラインナップ。新型の乗り味にも期待したい。

■Vクラス
メルセデス・ベンツVクラス

メルセデス・ベンツVクラス

3列シート7人乗りのミニバンシリーズ。標準ボディと荷室を伸ばしたロング、ホイールベースも伸ばしたエクストラロング、という3つの“長さ”から選べる。パワートレーンは全て4気筒ディーゼルターボの220dだ。5人家族が横になれるポップアップベッドルーム付きの“マルコ・ポーロ・ホライズン”も用意。

■AMG GT
メルセデスAMG GT

メルセデスAMG GT

メルセデスAMGの各モデルはというと、基本的に、メルセデス・ベンツラインナップの乗用車(SUV含む)をベースに、AMGが独自に開発したパワートレーンやシャシーをインストールし、凝った内外装を与えた、高級&高性能仕様となるのが通常だ。けれども、GTは違う。AMGが専用モデルとして開発した2シーターのスポーツモデルである。476psから585psまでのV8ツインターボエンジンをフロントアクスル後方に低く配置。完全なフロントミッドシップモデルだ。スポーツカーの典型ともいうべきロングノーズ&ショートデッキスタイルが世界中のスポーツカーファンを虜にする。性能によって、GT、GT S、GT C、GT Rを用意。GTとGT Cにはロードスターの設定もある。

メルセデス・ベンツ”らしさ”が味わえるオススメ3モデル

■Sクラス
メルセデス・ベンツS450

メルセデス・ベンツS450ロング

メルセデス・ベンツの真髄はSクラスにあり。フルラインナップメーカーとなった今でも、それは真実だ。なぜなら、最新のエンジニアリングや、安全・環境への取組みは、まず、Sクラスによってマーケットに提供され、そこから順にEクラス、Cクラスへと降ろされていく。デザインも然り。最新世代のトレンドもSクラスによってまずは定められている。大型の乗用車であるにも関わらず、非常に扱い易く、街中から高速道路、望めばカントリーロードまで万能だ。全てが揃う乗用車である。オススメは最新のISGを搭載したS450。素晴らしいライドコンフォートとエンジンフィールを味わってみて欲しい。

■Cクラス
メルセデス・ベンツCクラス

メルセデス・ベンツC220dローレウスエディション

Sクラスまでのラグジュアリー感は要らない。道具としての素晴らしさをリーズナブルに楽しみたいと思ったとき、Cクラスほど適した存在はない。ある意味、SやEの長所をぎゅっと凝縮したモデル。決して“高級”ではないが、機能レベルの高さは折り紙付き。オススメはスポーティな雰囲気が魅力の、C220dローレウスエディション。

■GLA
メルセデス・ベンツGLA

メルセデス・ベンツGLA

FFモデルのメルセデス・ベンツは、こと乗り味という点でまだまだFR系に及ばないというのが、これまでの評判だった。さしものメルセデスも、FF系の仕立てには苦労をしたのである。最近になって、不評だった乗り味もぐんと改善されてきた。進化の速さは、さすがメルセデスというべきか。なかでもGLAクラスのライドフィールは当初からFF系最良であったが、さらに磨きが掛かっている。人気のコンパクトSUVであり、そのスタイリッシュな外観と相まって、オススメのメルセデス・ベンツ入門モデルだ。

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■Eクラスステーションワゴン
メルセデス・ベンツE220dオールテレイン

メルセデス・ベンツE220dオールテレイン

個人的にはメルセデス・ベンツの乗り味に、母のような懐の広さを求める。妙なスポーティさは要らないし、過激なパフォーマンスも求めない。とにかく、乗り手がどんなコンディションであっても、また、どこへ行くにしても、どういう走り方をするにしても、変わらず包み込んでくれる度量の大きさを求めたいのだ。高機能でかつ、全てに優しい。人として万能という意味では母を超える存在はあるまい。だから、母性のメルセデス・ベンツを探す。現ラインナップで最もそれに近しい存在が、Eクラスのステーションワゴン。なかでもE220dオールテレインなら、乗り味から機能性まで、ほとんど理想に近い。オールドファンも納得のライドフィールである。

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