世界遺産/ヨーロッパの世界遺産

ブリュッセルのグランプラス/ベルギー(4ページ目)

ブリュッセル旧市街に広がるグランプラスは、「世界でいちばん豪華な広場」「絢爛たる劇場」「小さなパリ」等の称賛を受ける美しい広場であると同時に、中世の商人や手工業者たちがその自治と伝統を守り抜いた誇り高い街でもある。今回はベルギーの世界遺産「ブリュッセルのグランプラス」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

ブリュッセルの3つの世界遺産、1つの世界無形文化遺産

ソルヴェ邸

「建築家ヴィクトール・オルタによる主な邸宅群」に含まれているソルヴェ邸のファサード。オルタを支援したソルヴェ氏の私邸として建てられた

実は、ブリュッセルには3つの世界遺産と1つの世界無形文化遺産がある。その概要を紹介しよう。

■建築家ヴィクトール・オルタによる主な邸宅群
タッセル邸

世界で最初のアール・ヌーヴォー建築といわれるタッセル邸

ヴィクトール・オルタ設計の4つの邸宅(タッセル邸、オルタ邸、ヴァン・エドヴェルド邸、ソルヴェ邸)を登録した世界遺産で、曲線とガラスを多用したアール・ヌーヴォーのデザインが美しい。オルタ邸はオルタ美術館として公開されている。

■ストックレー邸
ヨーゼフ・ホフマンがウィーン工房を指揮して建てたモダニズム建築で、直線的な建築デザインや庭園はもちろん、扉や壁の装飾や照明・家具に至るまで、総合芸術を掲げてあらゆるデザインを取り仕切った。内装の担当はグスタフ・クリムトやフェルナン・クノップフで、クリムトの「ストックレー・フリーズ - 生命の樹」は特に有名だ。

 

■メイブーム
毎年8月9日に開催されるメイブームは、ベルギーやフランスに伝わる巨人とドラゴンの祭りをまとめて登録した世界無形文化遺産「ベルギーとフランスの巨人とドラゴンの行列(ベルギー、フランス)」の1つに登録されている。聖ローランの日の前日にサンザシ(メイブーム)を飾るお祭りで、巨人やドラゴンの山車が出て、グランプラスへと練り歩く。

グランプラスへの道

黄金の木、白鳥の家、星の家

グランプラス西側のギルドハウス。中央が「黄金の木」で、一部はビール博物館になっている。そこから右に「白鳥の家」「星の家」が並んでいる ©牧哲雄

■エアー&ツアー情報
小便少女

かなりわかりにく場所にある小便少女

ベルギーの玄関口は首都ブリュッセル。直行便はないので、ロンドン、パリ、フランクフルトなどヨーロッパ諸都市を経由するのが一般的。格安航空券で10万円前後から。ツアーは多種多様で20万円前後から。

あるいはロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダムなどから陸路でアクセスするのも難しくない。ユーロスターやタリスなどの特急電車で2~3時間程度。

■周辺の世界遺産
すでに紹介したが、ブリュッセルにはブラン・プラス以外に2つの世界遺産がある。アール・ヌーヴォー建築の邸宅を集めた「建築家ヴィクトール・オルタによる主な邸宅群」と、ヨーゼフ・ホフマン設計のモダニズム建築「ストックレー邸」だ。

 

さらに、ブルージュにも「ブルージュ歴史地区」と「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一部、「フランドル地方のベギン会修道院」の一部があるので、この2都市を訪れるだけで6つの世界遺産が訪問可能となる。ベルギーの他の世界遺産も遠くないし、オランダ、フランス、ドイツ、ルクセンブルクなどにも簡単にアクセスできるので、自分なりのルートを作ってみると楽しめるだろう。
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