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中国・天津市の人気観光名所16選!中国と異国の文化が融合する街

中国・北京から列車で30分。湾岸都市・天津は租界時代の洋館が並ぶ、異国情緒たっぷりの魅力的な街。古文化街など見所は旧市街地に集中しているので、1日で観光を楽しめます。天津の気候やアクセス、物価・グルメ、人気観光名所などをまとめました。

鈴木 晶子

執筆者:鈴木 晶子

中国ガイド

天津は北京から日帰り旅行もできる!ノスタルジックな人気観光都市

中国・天津市の人気観光名所16選!中国と異国の文化が融合する街

租界の町並みを馬車にのって優雅に観光!

天津地図

北京に隣接する美しい海辺の町。工業地帯としても注目を集める

湾岸都市・天津は租界時代の洋館が並ぶ、異国情緒たっぷりの魅力的な街。北京からは高速列車「高鉄」で30分強、しかも見所は旧市街地に集中しているので、東京から横浜へ遊びに行くような手軽さで、日帰り旅行をエンジョイできてしまうのです! 北京のプラスαとしてもおすすめですよ。
   

天津は上海、北京より物価が安い!買い物や食事も満喫できる

天津「泥人形」

定番の天津土産「泥人形」は数百円~とお得!写真のものは3体で50元

天津は北京市、上海市、重慶市と同じく中央政府直属の直轄市でありながら、他の沿海都市と比べて、物価がぐっとお安いことで有名です。日本の物価と同レベルになりつつある北京や上海から天津へ行くと、五年ぐらい昔にタイムスリップしたかのように、交通費も食事も安いのです。

ただ、ここ最近、天津でも物価の値上がりが社会問題となり、政府が乗り出して物価安定を取り組んでいるほど。まだお得感のある今のうちに、ぜひ一度訪れてみてください。
 

国内外の巨大企業が顔を揃える天津経済技術開発区

天津街並み

建設ラッシュが続く天津。不動産価格高騰への不満は他の都市部より顕著だといわれる

天津は北京の玄関口として古くから港町として栄えてきました。19世紀後半から20世紀前半までは外国からの侵略を受け、英、仏、独、米、日など9カ国の租界が存在していました。現在、天津に残る租界建築群はその時代のなごりというわけです。

そして1984年、中国最初の国家レベルの開発区の一つとして天津経済技術開発区(TEDA-Tianjin Economic-Technological Development Area) が誕生。現在、天津は国内外の巨大企業が存在する工業及び貿易の拠点をして飛躍的な発展を遂げています。
 

中国・天津への行き方・アクセス

中国高速鉄道

天津⇔北京間を走る「和諧号」。約10分間隔で出発するのでとても便利

■空路
天津の飛行場「天津濱海国際空港」は市内中心部から南東に約15キロのところにあります。日中間は中部との就航便がありますが、中部以外の人は日本各地との就航便のある北京へ入って、列車で移動するのがスムーズだと思います。

日中就航便
羽田、成田、中部、関空間の便があります。天津とは関空と成田で格安航空会社・春秋航空のフライトもあり、往復約2万円程度と格安なので要チェック!

国内就航便
上海虹橋、上海浦東、広州、大連、成都、重慶、西安、深セン、香港、杭州、南京、青島、ハルピン、瀋陽、長春、長沙、福州、貴陽、海口、合肥、フフホト、昆明、寧波、三亜、太原、威海、武漢、アモイ、煙台、鄭州、包頭、池州、大同、ラサ、洛陽など

■鉄道
天津には天津駅と天津西駅、天津南駅の三つがあります。北駅もありますが、途中停車のみの小規模な駅です。
・天津駅
北京南(高鉄) 1日147本 所要30~40分
済南 1日13本 所要4時間
・天津西駅
上海虹橋 1日5本 所要5時間
済南西 1日5本 所要1時間半
・天津南駅
青島 1日8本 所要4時間20分
泰安 1日8本 所要1時間半
済南西 1日20本 所要1時間

■長距離バス
天津の長距離バスターミナルはいくつもあるのですが、メインは西駅長距離バスターミナルと天津天環長距離バスターミナルの二つ。

西駅長距離バスターミナル 石家庄、済南、秦皇島、邯鄲とのバスが発着
天津天環長距離バスターミナル 北京の首都国際空港、趙公口、八王墳へ向かうバスが発着
 

天津ー北京間の移動・アクセス方法

天津・北京「高鉄(新幹線)

車内(二等車両)。一二等車そう違いはないが、一等車は足をゆったり伸ばすことができる

天津-北京間の交通機関は列車とバスの二種類ありますが速度、快適さ共に列車がおすすめです。

■列車でのアクセス
天津駅には地下鉄のアクセスがないのでタクシーの利用が便利。一方、北京南駅は地下鉄4号線と直結していて北京空港までは乗り換え2回で行くことができます。最近の北京のタクシー不足や渋滞を考えると、朝夕のラッシュ時は地下鉄の利用がベター。切符購入時には身分証明書が必要なのでパスポートを忘れずに携帯してくださいね。
運行本数…天津駅⇔北京南駅(およそ朝6時~夜22時まで、数分~十数分毎に1本) 
所有時間…約30~40分 
チケット…当日窓口でパスポートを提示して購入。特等席99元、1等席88元、2等席54.5元

■バスでのアクセス
天津天環長距離バスターミナル 北京の首都国際空港(80元)、趙公口(35元)、八王墳(35元)へ向かうバスが発着。バスのチケットは当日バスターミナルで直接購入します。所要時間は渋滞などの影響で違ってきますが、2時間から2時間半を予定していてください。
 

天津の気候、年間平均気温は?天津のベストシーズンは…

天津平均気温

海辺の町特有のさわやかな風が吹く日も

天津街並み

天津旅行は散策がメインなので夏や冬はしっかりした準備が必須

天津の気候は四季がはっきりしており、夏は暑くて高温で冬は寒くて乾燥しています。北京と同じような気候なのですが冬はやや温暖。春には西方から黄砂が吹きすさび、砂嵐で空気がよどむ日があるほど。ベストシーズンはやはり、さわやかな青空の続く秋です。

夏は日焼け止め対策、冬は防寒具が必須です。日本と比べれば、一年を通じて乾燥しているので、のど飴やハンドクリーム、リップクリームなどの持参をお忘れなく!
 

中国・天津のおすすめ観光スポット16選

天津の観光スポットは旧市街の市区と郊外の二つに分けられます。北京からの日帰り旅行の場合は、市区のスポットを中心に回るようにしましょう。
 

租界建築群<市区>/ここは本当に中国?異国情緒ただよう建築物

中国には「北京の四合院(中国北方の伝統家屋)、天津の小洋楼(洋館)」という言葉があるように、租界時代の洋館は天津のシンボル的存在になっています。当時の列強諸国が建築したものだけでなく、国内の富豪が外国人デザイナーを招いて作らせたものもあり、建築様式はルネッサンス、ゴシック、ロマネスクなどなど多種多様。数千あるといわれている洋館から、必見スポットをピックアップです!

■解放北路
天津「解放北路」

かつての様子が比較的そのままの姿で残されているエリア

租界建築群を代表するメインスポット。各国の金融機関が集まっていた場所で様々な様式の建物が並んでいます。

住所:和平区解放北路

■五大道
天津「五大道」

近年、馬車に乗っての「旧租界巡り」が人気

天津旧城の東南に位置する旧イギリス租界。かつて多くの西洋人や中国の著名人が暮らしたエリアで、今でも当時をしのばせる洋館が数多く残されています。五大道観光馬車は天津観光の目玉の一つ。民園体育場から洋風馬車に乗って周辺の町並みを優雅に見学できるのです。

五大道観光馬車
住所:和平区重慶道民園体育場前門
入場:8:00~18:00
料金:20元/人(6~8人乗り)

■旧日本租界
天津「旧日本租界」

現在は町並み全体がリニューアル。小さな店舗が並ぶ買い物エリア

かつて旭街と呼ばれていた和平路は日本租界のメインストリートでした。他の租界地に比べ、低階層なのが特徴的。

住所:和平区和平路

■張園
天津「張園」

周囲の建物とは明らかに違う風格がある

赤レンガの高い塔がシンボルの旧日本租界にあった洋館。清朝陸軍第八鎮統制で豪商の張彪の私邸として建てられたもので、後に紫禁城を追われたラストエンペラー・溥儀が天津に移ってから最初に暮らしたところとしても知られています。現在は中国企業が利用しており内部は非公開、外観だけの見学となります。

住所:和平区鞍山道59号

■静園
天津「静園」

かつて庶民の集合住宅として利用されていた時期もある

1921年、北洋政府駐日公使・陸宗輿の私邸として建設。当初は乾園という名前だったのですが、1927年に張園から引っ越してきた溥儀の希望で静園と改名されました。最後の皇帝一家は1931年に天津を去るまでここで暮らしていました。現在、公開されているのは2007年に修復工事を終えたばかりのもの。外観は西洋風なのですが、内部のところどころに日本風のインテリアを見ることができます。

住所:和平区鞍山道70号
TEL:022-2731-1618
入場:8:30~16:00
料金:20元
 

解放橋<市区>/天津駅正面に位置する観光名所

天津「解放橋」

天津駅正面に位置する。列車で天津についたらまずここを見学

かつての名称は万国橋、フランス租界にあったことからフランス橋とも呼ばれていました。この橋は真ん中が開閉する跳開橋なのですが、現在はめったに開くことはありません。夜は夜景の美しいデートスポットです!

<DATA>
■解放橋
住所:和平区解放北路
 

天津旧城<市区>/中国の古き街並みを再現した商店街

天津旧城

租界の異国風な風景とは対照的なスポット

現在の北馬路、東馬路、南馬路、西馬路に囲まれたエリアで、かつては城壁に囲まれていました。ここの見所はかつて時を知らせる役目をしていた鼓楼。現在ここは南北に伸びる清時代の 街並みを再現した商店街となっています。次に紹介する古文化街まで徒歩圏内なのでセットでの見学をおすすめします。

<DATA>
■天津旧城鼓楼
住所:紅橋区鼓楼商業街
TEL:022-2727-3412
 

古文化街<市区>/天津でお土産を買うならココ!

天津古文化街

値段交渉は他の人が購入した価格を参考にしよう

清代の民間建築の様式を再現した町並み。長さ約600メートルのストリートにはアンティークや民芸品が売られています。天津土産を物色するのにぴったりのスポット!

<DATA>
■古文化街
住所:紅橋区古文化街
 

天后宮<市区>/文化街の中に位置し、観光中に立ち寄れる

天后宮

一日中お参りする人が絶えない天津の聖地

古文化街に位置する天后娘娘を祀る廟。天后娘娘とは台湾や東南アジアの華人に信仰されている女神。ここ天后宮は1326年に建設され、その後修復・改築を繰り返してきたもの。内部には天津民族博物館も併設されています。

<DATA>
■天后宮
住所:紅橋区古文化街
TEL:022-2727-5074
入場:9:00~16:30
料金:無料
 

周恩来●穎超紀念館<市区>/ここでしか見られない貴重な写真も

周恩来記念館

館内には他では見られない貴重な写真が多数展示

中華人民共和国初代首相の周恩来と、その夫人・●穎超の記念館。周恩来生誕百周年の1998年2月28日オープンしました。周恩来夫妻が出会い恋に落ちた思い出の地として天津が選ばれたのです。館内には幼少期から日本、西洋へ留学した青年時代、マルクス主義と出会い、共産党に入党し、建国後の総理としての業績などが年代順に展示されています。
●…トウ小平の“トウ”

<DATA>
周恩来●穎超紀念館 
住所:南開区水上公園北路1号
TEL:022-2352-9240
入場:9:00~16:00
料金:無料(西花庁への入場は15元)
 

天津広播電視台<市区>/回転式レストランも!天津のランドマーク

天津テレビ塔

タワー内部には床がガラス張りになっているドキドキスポットあり

高さ415.2メートルのテレビ塔で、天津市のランドマーク的存在です。ここの展望室に上れば天津の街を360度見渡すことができます! 中には回転式のレストランもあり。天津ビューを堪能したい方、おすすめのスポットです。

<DATA>
■天津広播電視台
住所:南開区衛津南路1号
TEL:022-2334-3557
入場:9:00~21:00
料金:50元
 

望海楼教会<市区>/修復を繰り返しながら歴史を刻む教会

望海楼

1970年の天津教案という事件で襲撃の舞台となった

1869年、フランス人宣教師たちの手によって創建されたカトリック教会。当初は聖母得勝堂と名づけられたのですが、協会の敷地にはかつて清朝皇帝の望海楼があったことから、望海楼教会と呼ばれるようになったのです。幾度も内乱が起こり、破壊と修復を繰り返してきた協会で、現存するものは1904年に再建されたものです。

<DATA>
■望海楼教会
住所:河北区獅子林大街
料金:無料(外観のみ)
 

楊柳青<郊外>/今なお残る千年以上前の中国の町並みと建築物

石家大院

大小10の四合院を有す大邸宅・石家大院には約300の部屋がある

1000年以上の歴史を持つ古鎮。明清代に大いに繁栄した街で、版画や中国凧といった民芸芸術が花開き、現在でもその伝統が受け継がれています。また、ここは天津を代表する建物――278部屋という巨大な邸宅「石家大院」があることでも知られています。

<DATA>
■石家大院
住所:西青区楊柳青鎮御河橋西側
TEL:022-2739-1617
入場:8:00~16:00
料金:27元
 

大沽口砲台遺址<郊外>/記念館も訪れたい!

清朝末に列強侵略に備えて築かれた砲台。アヘン戦争以降、幾度も列強の軍隊によって侵略された場所。砲台側には大沽口砲台遺址紀念館があって、当時の歴史が紹介されています。

<DATA>
■大沽口砲台遺址
住所:塘沽区東砲台路
入場:8:00~16:30
料金:10元
 

黄崖関長城(万里の長城)<郊外>/見どころ抜群の観光スポット

黄褐色の岩からなる山にある万里の長城で、夕日があたると黄金に輝くことから黄崖関と名づけられました。傾斜がとてもきついので観光専用車を利用して上まで登ることをおすすめします。

<DATA>
■黄崖関長城
住所:薊県北方30キロ
TEL:022-2271-8080
入場:8:00~18:00
料金:50元(観光専用車は別途料金必要)
 

盤山風景名勝区<郊外>/工程や文化人が愛した中国の景色

いにしえの皇帝や文化人が愛した景勝地。多くの寺院や宝塔のあった場所なのですが、近代に入ってそのほとんどが破壊。まだ手付かずのままになっているのですが、幾つかの寺院はかつての姿のまま残されています。

<DATA>
■盤山風景名勝区
住所:薊県官荘鎮北西
TEL:022-2982-1235
入場:7:00~16:30
料金:100元
 

天津武清佛羅倫薩小鎮(イタリア・フィレンツェ村アウトレット)

天津アウトレッドモール

イベント時には行列ができるほどの人気スポット

ネッサンス時代のイタリアの街並みを思わせる大型アウトレットモール。世界の著名なブランドショップを約200店を揃え、休日には地元人だけでなく、周辺の北京や河北からも人が集まる人気スポット。京津高速鉄道の武清駅から徒歩100メートルとアクセスも便利です。

<DATA>
■盤山風景名勝区
住所:武清区前井道北側
TEL:022-5969-8000
入場:10:00~21:30
 

中国・天津グルメ!お土産にもおすすめの「天津三大名物」

天津「南市食品街」

南市食品街。天津名物がずらり勢ぞろい。「天津三絶」もすべて味わえる

天津麻花

麻花。歯が折れそうな硬いものから、サクッとしたものまで店によって様々

さて、天津紹介の締めくくりとして天津料理についてです。天津というと日本人はすぐに天津甘栗や天津丼、と言うのですが、地元天津には天津甘栗も天津丼も残念ながらないんです。それでは、本場天津の名物料理とは何なのでしょう? ここでは天津旅行で味わっていただきたい幾つかをご紹介します。
  • 狗不理包子……老舗の包子(肉まん)のレストラン。チェーン展開しているレストランで北京にも店舗はありますが、やっぱり地元天津でいただきたい!
  • 麻花……小麦粉を練って油で揚げたお菓子で、日本のカリントウのような、カチカチのドーナツのようなもの。各種メーカーがあるけれど、イチオシは老舗「十八街」の麻花です。
  • 耳朶眼炸【米羔】……耳朶眼炸【米羔】は創業100年以上を誇る老舗。色々な餡を中に詰めた揚げ団子で、油っぽいお菓子。
以上3つを「津門三絶」(天津三大名物)と言います。どれもちょっとレトロで、どこか懐かしい味がします。


天津旅行はやはり北京とセットで訪れることをおすすめします。北京旅行については「オールアバウト北京」を参考にしてみてください!

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