暮らしの歳時記/正月の行事・楽しみ方(年末年始)

震災を考慮し、年賀状で悩んでいる方へ(2ページ目)

今年は震災を考慮し、年賀状を出すか出さないか、出すとしてもいつも通りでよいのかなど悩んでいる方へ。解決策と、判断材料となるお正月の意味や年賀状の役割をお伝えします。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

年賀状の成り立ちと役割

年賀状の成り立ちを簡単に説明すると……

無事に年を越し、心新たに新年を迎えられたことは大変めでたいこと。慶びを分かち合い、旧年中の感謝や年始の誓いをするために、年始の挨拶を交わすようになる

武家社会で年賀に参上することがしきたりとなる

一般にも広がって年始回りをするようになる

遠方には書状を送るようになる

年賀状!

こうした経緯で、年賀状には、新年を祝う言葉・旧年中の感謝の言葉・相手の幸せを願う言葉・今年も変わらぬお付合いを願う言葉を書くわけです。


2012年の年賀状で悩むこと

年賀状を出すか出さないかは、先方や自分の被災状況にもよりますし、考え方によっても違うので一概にいえることではありません。親族を亡くされた方には当然出状しませんので、年賀状の代わりに寒中見舞いを差し上げることになります。また、いろいろと考えて、年賀状は出さないという方もいらっしゃるでしょう。

お悩みの多くは、年賀状を出したいけれど通常通りでいいのか、ということです。

たとえば、被災地を思うとお祝いする気になれない。「明けましておめでとうございます」の「おめでとう」がひっかかる、「謹んで新春のお慶びを申し上げます」の「お慶び」が素直に言えないという感じでしょうか。

先程述べたように、正月や年賀状の成り立ちを知っていると、浮かれてめでたいのではなく、皆のお陰で無事1年を過ごせ希望に満ちた新しい年が始まったからめでたい(昔風にいえば、新年に幸せを授けてくれる年神様を今年もお迎えできたからめでたい)、ということがわかります。真意を知ると、震災のあとだからこそ正月を祝って前進する糧にしたい(してほしい)という方がとても多いです。

しかし、「おめでとう」「お慶び」などのフレーズが気になり、不謹慎と感じる方もいらっしゃいます。とくに被害が大きい場合、そのような気分になれない方も多いと思います。


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