植木・庭木/庭木・花木の種類と育て方

盆栽の管理方法とミニ盆栽の仕立て方

師走に入り、縁起の良い植物で作られたお正月用の盆栽も目につくようになりました。盆栽は、和のインテリアとしても人気です。そこで今回は縁起盆栽を例に、盆栽の基本的な管理方法とミニ盆栽の仕立て方についてご紹介しましょう。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

盆栽とは

盆栽

小さな鉢の中に、雄大な自然を

盆栽とは、鑑賞のために盆(鉢)という空間の中に草木を植栽し、自然を模した一つの世界を創りあげるものです。樹齢数百年も経つ松の木から、手のひらに乗るような小品盆栽、山野草などを植え込んだ草物盆栽など、種類は様々です。今回は、正月用に縁起の良いとされる植物を植え込んだ、縁起盆栽を例にとって、盆栽の基本的な管理についてお話ししましょう。


縁起盆栽

竹

盆栽では、竹の代わりに笹を使う

縁起の良いとされる植物については、ガイド記事【庭に縁起木を植えよう】でご紹介しましたが、正月用の縁起盆栽によく用いられる植物を挙げてみましょう。

■松
常緑で、長寿・不変を表し、黒松・赤松・五葉松・トドマツなどいろいろある中でも、縁起盆栽では「御用を待つ」を文字って、五葉松が好まれるようです。
■竹
繁殖力が旺盛で節目ごとに伸びていく様から、「子孫繁栄」を意味します。盆栽では、竹の代わりに笹を用います。 

厳しい寒さに耐え、早春に香り豊かな花を咲かせます。
■南天
「難を転ずる」に通じるところから。
フクジュソウ

その名もめでたい、フクジュソウ


福寿草
早春に明るい黄色の花を咲かせます。「元日草」や「朔日草」の別名も。

この他、これも縁起物の常緑のセンリョウやマンリョウ、下草としてポピュラーな常緑のタマリュウ、彩りの良いミニハボタンが植えられているもの、仕上げとして苔が張られているものもあります。

 

盆栽の基本的な手入れの仕方

縁起盆栽

松竹梅に南天の入った、縁起盆栽

■置き場所
できるだけ日当たりと、風通しの良い場所に置きますが、西日は避けましょう。縁起盆栽に蕾のついたウメが入っている場合は、お正月に開花させるために12月中頃に室内に取り込みます。ただし、戸外からいきなり暖かい室内にいれるのではなく、戸外から軒下、屋内の涼しい場所を経るなど、少しずつ慣らしながら取り込みましょう。

■水やり
他の鉢植え同様に、「鉢土が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりやる」が基本ですが、盆栽は土の入るスペースが小さいため、鉢土が乾きやすいものです。冬の間は数日に1回程度、春と秋は1日1回、夏場は1日2~3回が目安ですが、前述のように屋内に取り込むと予想以上に早く乾燥することもあります。水切れを防ぐためにも、毎日のチェックを怠らないようにしましょう。

■肥料
春と秋、緩効性の置き肥を施します。盆栽用の玉肥が市販されていますので、そちらを利用すると良いでしょう。なお、玉肥は転がりやすいので、株元から離れたところに挿し込むようにします。

■植え替え
松

銅線を巻いて枝を矯正した松


長く盆栽を楽しんでいると、根が多くなるとともに土の粒も崩れて微塵になってしまいます。このため、周期的な植え替えが必要になります。植え替えは春、芽が動き出す頃が適期です。

周期は樹種によって異なりますが、成長の遅い松柏類で3~4年、雑木で2~3年、花や実を楽しむ木で1~2年に一回くらいが目安です。若い木の場合は生育が旺盛なため、その分植え替え周期も1年程度早くみておきます。

なお縁起用盆栽の場合、タイプの違う植物を寄せ植えにしているので、別々に分けて植え替えてあげると長く楽しめます。それぞれの根鉢に合わせて鉢を準備して、根を整理して植えかえましょう。

次は、ミニ盆栽の作り方をご紹介します >>

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