ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

無益なケンカを避ける「第一感情のIメッセージ」(2ページ目)

感情的なトラブルは、親しき仲にこそ起こりがち。その原因として、話し手の「とっさの一言」に問題がある場合があります。素直な気持ちで話し合うためのヒントとして知っておきたい、「第一感情のIメッセージ」についてお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「Iメッセージ」と「YOUメッセージ」 

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第一感情をIメッセージで伝えてみましょう

怒っているときの会話は、ほとんどが「YOUメッセージ」(あなたメッセージ)になっています。つまり、「あなたが○○だ」と、相手を評価したり、相手に要求したりするメッセージです。先の「まったく何時だと思ってるんだ!」という言葉もそうですね。

最初からYOUメッセージで切り出してしまうと、相手は「こっちの意見も聞かずに一方的に非難された」と感じ、心外に感じてしまいます。だからこそ、意識したいのが「Iメッセージ」(わたしメッセージ)なのです。

「Iメッセージ」とは、「私は○○と思う」「私は○○してほしい」と自分の考えや気持ちを伝える表現です。怒りの前に湧く「第一感情」を伝えようとすれば、自然に「Iメッセージ」になりやすくなります。「(私が)心配していたんだよ」「(私が)連絡もなくてがっかりしていたんだよ」というように。

あらゆるシーンで使える「第一感情のIメッセージ」 

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最初は照れくさくても、気持ちが伝わればスッキリするはず

親しき仲こそ、気持ちが通じにくいと感じるときには、ぜひこの「第一感情」をIメッセージで伝えてみましょう。すると、ぐんとお互いの気持ちが近づけると思います。身近な例を提示しますので、第一感情、第二感情それぞれの話し方の違いを比べてみてください。

◆週末にゴルフ三昧で家にいない夫に対して
  [第一感情のIメッセージ] 私は一緒にいられなくて寂しいわ。
  [第二感情でのYOUメッセージ] なんであなたは、いつもゴルフばかりなの!

◆無駄遣いばかりしている妻に対して
  [第一感情のIメッセージ] 僕が頑張って働いているのに悲しくなるよ。
  [第二感情でのYOUメッセージ] 君ばっかり無駄遣いするなよ!

◆言われたことをやらない子どもに対して
  [第一感情のIメッセージ] ○時までに終えてくれたら、お母さんは助かる。
  [第二感情のYOUメッセージ] あなたがちゃんとやらなきゃダメでしょ!!

◆遅刻してきた生徒に対して
  [第一感情のIメッセージ] 遅いから、先生はとても心配していたよ。
  [第二感情のYOUメッセージ] 遅いぞ!お前はなにをやってるんだ!

◆約束を破った恋人に対して
  [第一感情のIメッセージ] 信じてたのに、私はとってもショックだわ。
  [第二感情のYOUメッセージ] 約束を破るなんて最低!

いかがでしょう。自分自身も、第一感情のIメッセージで伝えられた方が、話を素直に聞けるのではないでしょうか? この話法には最初は抵抗があるかもしれませんが、何度か使い続けていけば慣れてきます。 最近、近しい人と心が通じ合えないと思ったら、ぜひこの話法で話してみてください。

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