炭水化物を無性に欲しくなっていたら……? もしかしたら、うつ病の前兆かも知れませんよ!
食欲の秋。もしも、食卓に所狭しと、御馳走が並べられる、特別な日が来たとしたら……? 我を忘れたかのように、残らず食べ尽くしても、まあ、一時的に罪悪感を感じるかもしれませんが、特に問題は無いはず。しかし、慢性的な食欲亢進は、しばしば、心の不調を反映しています。
今回は、食欲増進時に、気をつけたい心の病気を詳しく解説します。
おなかが空いても、体に栄養が足りないとは限らないもの
食欲は人間の本能の一つ。最後の食事から時間が経つに連れ、食欲は強まりますが、体に栄養が足りている時でも、衝動的に甘い物が欲しくなる事があります。
特に、ストレスが溜まっていると、甘い物への誘惑は強まるものです。イライラの後、チョコを一口、食べて、気持ちが、すーっとなる人は少なくないでしょう。実際、甘い物を食べると、気分が良くなります。甘い物が体内に入ると、その代謝物であるグルコース(フドウ糖)は、脳の栄養源となるだけで無く、脳内の報酬系を刺激して、気分を良くします。
もしも、甘い物が無性に欲しい時には、心の不調に要注意! 甘い物を渇望する背景には、慢性的な気分の落ち込みがあり、落ち込んだ気分を良くする為に、脳が甘い物を求めている可能性があります。
食欲増進時の、うつ病のサイン
もしも、特に、おなかが空く要因が無いにも関わらず、甘いものや炭水化物類への欲求が強まっている場合には、以下のような症状は無いでしょうか?
- 昼間の眠気が強い
- 疲労感が強い
- イライラしやすく、仕事や勉強に集中できない
- 今まで楽しめていた事を楽しめない
自分は、うつ病とは無縁だと、油断しないで!
もっとも、うつ病は、「もしかしたら、うつ病?」と、疑って掛からないと、なかなか気付かぬもの。もしも、「うつ病は気持ちの弱い人の病気だから、自分は無縁!」と、思われていたら要注意! うつ病は、脳内環境が悪化した為に生じる病気です。また、うつ病の症状の発現は、個人差が大きく、上記のように、食欲が増進し、眠気が強くなるとは限りません。その反対に、食欲不振、不眠が出現する場合も多いです。いざ、うつ病にかかってしまった時、「うつ病かな?」と、疑えるように、うつ病の症状は、一つのパターンとは限らない事は、是非、頭の隅に置いておいて下さい。
うつ病へのアンテナは普段から高めておいて!
うつ病の治療法には、病的に悪化した脳内環境を元に戻す為の、抗うつ薬を中心とする薬物療法や、うつ病の症状を悪化させている心理的問題に対処する為の、心理療法などがありますが、病気の予後を良好にする大原則は、できるだけ早期に治療を開始する事! もしもの際、「うつ病かな?」と、疑えるように、うつ病へのアンテナは普段から高めておきましょう。また、秋は日増しに太陽の昇る時間が短くなっていきます。日照不足は脳内環境を悪化させ、うつ病を起こす事があり、秋は、うつ病に気を付けたい季節です。もしも、甘い物を無性に欲しくなっているだけで無く、ベッドで一日中、ゴロゴロしていたいほど、眠気が強くなっていたら、一見、これから冬篭りに入りそうですが、実は、脳内環境に問題が生じていて、うつ病に近くなっている可能性を、是非、ご留意ください。