ヴィエリチカ岩塩坑内部へ探検しよう!
ヴィエリチカ岩塩坑内部。岩塩層を掘り広げた空間に木材で足場が組まれている ©牧哲雄
「ただ穴があるだけじゃないの?」と期待せずに出かけたのだが、これが大間違い! 内部は驚くべきものだった。
ヴィエリチカ岩塩坑の入り口。ダニウオヴィチ立坑と呼ばれる縦穴上に建てられている ©牧哲雄
簡単な解説を聞いたあと、まずはらせん状の階段をひたすら下る(エレベータを使うツアーもある)。なかなかたいへんだったが、疲れよりも寒さが気になってくる。私が訪ねたときは夏で、外の温度が30度近かったのに対して地下は約14度。一年中気温はほとんど変わらないらしい。地下64m地点に到着すると階段は終了、ここから地下130mほどまでの約3.5kmが一般に公開されている。
採掘の様子をいまに伝える岩塩坑
掘削跡の壁面に見える塩の結晶。場所によって塩の結晶の色や形、大きさが変わる ©牧哲雄
真四角に掘り進められた坑道。コンクリートで固められているように見えるが、周囲の壁は岩塩だ ©牧哲雄
ところが、しばらく歩いていると灰色の壁や黒い壁もあって、その色は一様ではない。形も様々で、立方体が集まったような「クリスタルの間」があるかと思うと、天井から塩のつららが垂れ下がる鍾乳洞のような空間があったり、泡のように塩が噴き出している「塩のカリフラワー」なんて場所もある。鉱物や塩の含有量、坑道の湿度で色や形が変わるらしい。これほど多彩だとは思いもしなかった。
天井から垂れ下がる塩のつらら ©牧哲雄