紅茶/紅茶の淹れ方・飲み方

紅茶をおいしくいれるコツ(2ページ目)

お茶に関わる4名の先生方ご協力のもと、紅茶実験を行いました。科学的数値で紅茶のおいしさに迫ります。

桑原 珠玉

執筆者:桑原 珠玉

紅茶ガイド

次にアミノ酸量について。
【E】アミノ酸量のグラフ
紅茶に含まれるアミノ酸量を測定(mg/100ml)

紅茶に含まれるアミノ酸量を測定(mg/100ml)


一般に食品には20種類のアミノ酸が含まれます。お茶にはその他にテアニンというお茶に特有で、グルタミン酸に似たアミノ酸が多く含まれています。そしてこのテアニンが紅茶のほのかな旨みを生むと考えられています。
アミノ酸の分析結果はこれまでのポリフェノールやカフェインの測定値とは異なる傾向を示しています。

まず、どの条件下においてもダージリンのほうがアッサムより多くのアミノ酸が溶出していることがわかります。

さらにわかるのは、60度抽出がダージリン、アッサムともに一番よく溶出されていることです。
また、100度2.5分抽出と25度3時間抽出では結果としては25度抽出のほうが多く溶出していますが、これはほぼ同程度と考えても差し障りがない量でしょう。

今回の実験では、通常の熱湯抽出(実験では100度に設定)と、近年一般化してきている水出し紅茶ということを考え、25度の常温抽出を比較するのが主たる目的でした。比較材料としてその間の60度抽出を条件として加えたに過ぎないのですが、アミノ酸量に関しては、ダージリン、アッサム両者で60度抽出が最も多くアミノ酸が溶出されたという点はとても興味深いところです。

冨田先生によれば、「これはテアニンなど一部のアミノ酸が、100度ではテアフラビン類などと反応することによると考えられる」とのこと。私たちが玉露を飲んだ時に旨みを感じますが、60度程度の温度抽出がお茶の旨みを引き出しやすい温度と関係があるのかもしれません。しかし、これは憶測に過ぎないので、冨田先生は「テアニンなどアミノ酸の溶出については今後詳細な研究が必要」だといわれます。
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