学習・勉強法/小学生の勉強方法・学習習慣

お受験の勉強は小学校で役に立つのか?

対象が幼児でありながら、小学校受験をするには「受験勉強」という名の準備が必要です。その受験勉強が小学校入学してから役に立つのでしょうか。その点について考えてみます。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

私立・国立小学校受験のために特別な準備は必要ありませんと学校の側は言いますが、ほとんどの受験生が何らかの受験勉強をしています。そうしなければ合格が難しいと信じられているからです。

ところが小学校受験のための勉強が小学校入学後に活きるのかどうかについてはあまり関心を持つ人は少ないようです。

お受験問題集

小学校受験の問題は幼児にとってけっして易しくはない

幼児は文字が読めたり書けたりできないという前提で小学校入試問題は作られていますが、小学校の先生が作っているからには、必ずしも幼児の特性に配慮した問題ばかりではありません。中にはどう見ても、これは小学生でも難しいと思うような問題が含まれています。

進学校の附属私立小学生の学習を見ていると、先取り学習による弊害が現れているケースも散見されます。そこで小学校受験勉強は入学後に活きるのかどうか考えてみます。

幼児の特性

小学生でも論理的な推論ができるようになるのは10歳過ぎで4年生くらいです。また形を認識して再現する場合も、2次元で縦横の比が同等で歪まずに認知・再現できるのも同じくらいの年齢という研究結果があります。

また数をペーパーの上で認識することは、たとえ数字を使っていなくても幼児にとっては現物よりも抽象度が上がっていて難しいものなのです。実生活でミカンが3個あるのと、紙の上に丸が3つ描いてあるのでは、異なって感じられるということ。

しかしながら入学試験で現物を使って知的発達度合いを見る学校はほどんどありません。一部実物や生き物を触らせたり操作させたりする学校はありますが。

もちろん幼児には訓練しだいでどんな難しいものも取り込んでしまえる柔軟性があります。しかしペーパーができるということと、そこに描かれている概念の本質を理解しているということは別なのです。

例えて言えば幼児に自動車の運転を教えれば、車の操作は覚えられるけれども、道路交通法に則って街を走ることはできないのと同じです。

幼児の特性を知った上で、受験勉強の内容を検討する必要があります。
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