前回は、奈良県 月ヶ瀬尾山にある月ヶ瀬健康茶園の紅茶作りに密着取材・レポートをお届けしました。今回は同茶園で栽培されるお茶の木や、紅茶用品種で作られた紅茶をご紹介します。

有機・無農薬栽培

在来種は畝(うね)がまっすぐにはならないそうです

在来種は畝(うね)がまっすぐにはならないそうです

茶園主 岩田さんは、紅茶作りには妥協しない強い気持ちの持ち主。15もの点在する茶園で少量多品種の茶を有機・無農薬栽培しています。チョウやバッタが跳ね、様々な草や木が辺りに生い茂っています。「バッタは茶葉につく虫を食べてくれるし、クモにしても同じ。だからうちではクモは殺してはならないって言われてきているんです」と岩田さん。ありのままの自然環境のなかで、いかにおいしく安全なお茶を作るか、日夜努力と研究が積み重ねられています。そのエネルギーがおいしい紅茶・緑茶作りに注がれているように感じました。

同園で販売される紅茶「春摘み」「夏摘み」「べにふうき」「べにひかり」「べにほまれ」

同園で販売される紅茶「春摘み」「夏摘み」「べにふうき」「べにひかり」「べにほまれ」

さて、前回記事では岩田さんが取り組んでいる手摘み茶葉からの紅茶作りに焦点を当ててレポートしましたが、それらはまだ商品化されていない紅茶。

この記事では、現在販売中(機械摘みによる)の紅茶、春摘み、夏摘み、べにふうき、べにひかり、べにほまれ、紅茶 チャイ用の6種類から、「べにほまれ」と「べにひかり」をピックアップします。


 

紅茶用品種として日本で生まれた「べにほまれ」と「べにふうき」

「べにひかり」よりもやや黒っぽい茶葉

「べにひかり」よりもやや黒っぽい茶葉

これは珍しい、とすぐに注目したのは「べにほまれ」。多田系インド雑種から誕生し、1953年に品種登録。この「べにほまれ」の系統からのちに誕生した品種に、「べにふじ」や、比較的新しい品種で有名な「べにふうき」があります。

べにほまれは、現在日本で作られている紅茶用品種の母親のような存在ですね。紅茶としての品質は評価が高いものの、栽培はなかなか難しいようです。

同園では2004年から栽培を始めており、まだ限定量ですが販売されています。仕上がりの茶葉は大きいので、2.5gを使ってじっくり4分かけて入れてみました。この紅茶は、国産紅茶にしては堂々たる渋み、コク深さがあります。香りはやや弱いものの、ミルクティーにふさわしい味わいが特長。60g 880円。
 

明るい赤褐色をした茶葉

明るい赤褐色をした茶葉

もう一つは、「べにひかり」。中国種系統の品種で、1969年に品種登録されました。日本の風土にもよく合い、香気に優れることから普及が期待されながら、1970年の紅茶輸入自由化により、その期待に応えることがなかった幻の品種。同園では2005年に栽培開始。

この紅茶は、甘みすら感じる穏やかな渋味が特徴で、ストレートがおいしい。後味にシャープさが残ります。60g 880円。


■月ヶ瀬健康茶園
住所:奈良県奈良市月ヶ瀬尾山1965
電話:0743-92-0739
紅茶商品 「有機紅茶春摘み」「有機紅茶夏摘み」「有機紅茶 月ヶ瀬べにふうき」「有機紅茶 月ヶ瀬べにひかり」など。詳しくは下記リンクにて。

■関連リンク 月ヶ瀬健康茶園

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