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「そもそも火災保険とは?」勘違いランキング

誰しも火災保険には入っていますが、その内容までは・・・?という方も少なくありません。そもそも火災保険って、どうして必要?どんなふうに掛けるもの?火災保険の≪そもそも≫について、カン違いポイントを確認してみましょう。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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第1位 「まさかの延焼被害!当然、火元に賠償請求します!」

隣家からの火事で延焼被害に遭い、新築したばかりのわが家が全焼してしまったら?
火元である隣家に、わが家を元通り建て直す責任があると思う方が多いでしょう。

ところが、火事では民法の特別法である「失火の責任に関する法律」、通称失火法があり、火元のうっかりミスで生じた火災については賠償責任を免れる旨が定められています。
つまり、あなたが延焼被害を受けても、火元である隣家に賠償請求することはできないのです。あなた自身に落ち度がまったくなく、火元である隣家に一方的に原因がある場合でも、賠償を受けられるわけではないからこそ、誰でも火災保険に入っておく必要があるのです。

ここで言ううっかりミスによる火災とは、たとえばストーブの消し忘れ(注:必ずしもそうとは限らず、個別具体的な状況によりケースバイケース)など、ちょっとした不注意がもとで発生した火災を指します。その場合、あなたが隣家から延焼被害を与えられても賠償責任は受けられません。

一方、わざと(=「故意」といいます)ではないにせよ、注意を払わないと大変な結果になることが充分想定できるにもかかわらずそれを怠ったために起きた火災、たとえば過去の判例では天ぷら油を加熱したまま現場を離れたことが原因で生じた火災事故が重過失と認定されていますが、この場合、失火責任法の適用はなく、隣家には賠償義務が生じ、被害者は賠償を受けられます。

【お役立ちコンテンツ】
■「火災保険の必要性1 延焼被害も賠償なし」

 

第2位「地震や水害でマイホームが被災!でも国や自治体の補償がアテになる」

地震で家屋に被害を被っても原則は「自己責任」

地震で家屋に被害を被っても原則は「自己責任」

自然災害で個人の財産が失われても、原則として国や自治体からの補償は受けられません。法律に基づく被災者支援制度としては「被災者生活再建支援制度」がありますが、マイホームが全壊した世帯に基礎支援金として100万円、その後建物を建築した場合には、加算支援金として200万円の最大300万円の給付のみ。大規模半壊の場合はそれより少額で、最大でも250万円までにとどまります。住宅再建に充分でないことはいうまでもありません。

災害に被災することは、多くの人にとってめったにあることではありませんが、いったん被災し家計に数千万円レベルの大きなダメージを被ることになっても、国や自治体からの補償は期待できない―。これが私たちの抱えている現実です。こうしたなか、種々の災害に火災保険などを用いて備えることに異論がある方は少ないでしょう。

ただ、各種の災害に罹災するリスクは、地域の特性や立地、建物の状況などにより大きく変わりますから、わが家にどのような災害リスクがあるのかを見極め、適切な対策を考えていきましょう。住む場所が抱える災害リスクを知るためには、多くの自治体が作成している「ハザードマップ」の確認を。こうしてわが家のリスク状況を見極め、適切な火災保険に加入することが大切です。

【お役立ちコンテンツ】
■「火災保険の必要性2 自然災害に国の補償なし」
■「ハザードマップを知っていますか?」

 

第3位「建物の全損時は、保険証券に書いてある保険金額=保険金となる」

生命保険では「保険金額=支払われる保険金」となります。残された家族は本人の死亡によって保険証券に記載された金額の保険金を受け取れます。生命保険は契約が続く限り原則として約束された金額が変わることはありませんし、保険金額をいくらにするかも生命保険では本人の自由です。

一方で火災保険は、災害などで建物(または家財)が被った損害を“補償”、すなわち損失分を穴埋めするのが目的。建物が滅失するといった最大の損害でも、その建物の価値以上に保険金を受け取ることはできません。たとえば、3000万円の保険金額でも、被災時の建物の価値が2000万円だとしたら、支払われる保険金も2000万円。その建物の価値である2000万円以上の保険金は受け取れません。
建物の価値は保険会社が決めますが、物価の動向により契約時からは変化するので、契約時に正しい金額であってもその後は5年ごとぐらいに見直しを。これが適正に保険金を受け取るためのコツです。

【お役立ちコンテンツ】
■「家財の火災保険金額、どう決める?」
■「火災保険金額の設定方法」勘違いランキング」


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