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高級魚ノドグロに舌つづみ 有福温泉「三階旅館」(2ページ目)

初秋に旬を迎える浜田港のノドグロ。ちょうど脂ののった頃に訪ねたいのは近くにある有福温泉の三階旅館。煮付けに塩焼き、なんと肝まで。地酒に合わせて、ノドグロ三昧。 下駄を鳴らして通う共同湯は正真正銘の源泉かけ流し。近所の大先輩との触れ合いを楽しんで。あたたまった湯上りはおしゃれな有福カフェのビールできまり!

山田 祐子

執筆者:山田 祐子

旅館ガイド

こんなに脂がうまいとは!

宿に帰ると三代目主人であり包丁も握る伊田光雄さんがノドグロ料理を用意してくれていた。まずは煮付けからいただく。身はしっとりと柔らかく、甘辛い煮汁とよく合う。追加で注文した塩焼きは、染み出るほどに脂がのっているが身はしまり、身離れがよい。肝の煮付けはアンコウの肝のように濃厚でコクがある。

ノドグロの特徴はその脂の乗り。「脂の多さゆえに身が崩れやすく流通には向かない。だから都会では高値になる」とご主人が教えてくれた。

そのうまさの秘密は、浜田周辺の漁場にある。江の川をはじめとする河川が森の栄養を、漁場である入江に流し込んでいるためだ。
有福

煮付けに続いて塩焼き、肝とノドグロ三昧、地酒もすすむ!


その訳は、温泉地の共存意識

有福

有福温泉のシンボル「御前湯」

旬は8月から9月だが、漁獲高により品薄になることもある。三階旅館では「台所事情は厳しいけれど良いものを食べてほしい」と一泊二食で1万500円~という良心的な価格で年中味わうことができる。

有福温泉では、旅館、温泉、土産物屋、食堂が協力し合い、街全体を「ひとつの宿」と考えて客人をもてなしている。それぞれの宿がそれぞれの個性で客人を持っているので、無理に値段をつり上げるようなことはしていない。

大型旅館が全ての機能を抱え込み、お互いを排除しあう温泉街が苦しんでいるのとは対照的だ。

冬場は贅沢にも松葉カニとの競演も見られるというが、先ずは旬のノドグロを味わいに出掛けてほしい。


■有福温泉 三階旅館
住所:島根県江津市有福温泉町692
TEL:0885-56-2211
地図:Yahoo!地図情報
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