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粘りに粘ったPlayStation陣営が迎える収穫期(3ページ目)

これまで、コンシューマーゲーム業界におけるハードの市場争いの多くは、人気のハード1台が圧倒的に市場を支配する一強皆弱の世界でした。PlayStation3やPSPも、WiiやニンテンドーDSというトップハードに先行され、苦しい展開からスタートしました。しかし、それでも辛抱強く耐えぬいた結果、大きな収穫期を迎えようとしています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

任天堂の穴をSCEが埋める展開

PSVitaとPS3の図

当然、PSVitaも勢いをつけて登場してくるでしょう。(イラスト 橋本モチチ)

任天堂がノンゲーマーやライトユーザーを取り込むゲーム人口拡大路線を推し進める中で、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)は、中高生や従来からのPlayStationユーザーを中心に訴求を続け、規模にこそ劣るものの堅牢な市場を獲得しました。

結果、2010年末は、それまで携帯機の主役だったDSが後退し、その穴を埋めるかのようにPSPがモンハンP3rdで大躍進を果たします。そして今度は、Wiiがタイトルも少なく元気が無い中で、PS3が大きな存在感を見せようとしています。任天堂とSCEはライバルですから、お互いに譲りあってこういう状況ができているわけではもちろんありません。むしろ、お互いが自分の長所を伸ばすことで競い合った結果、多様化するゲームのニーズに各ハードがマッチしていく形となりました。

ハードメーカーは自分達のハードがとにかく売れて欲しい、あらゆるゲームが自分のハードに集まって欲しいと考えます。しかし、ゲーム業界全体からすれば、どこか1つのハードが圧倒的に市場を支配して、他のプラットフォームを潰しきってしまう形は好ましいとは言えません。常に幾つかが競いあって、サービスを向上させ、ゲームの質を高めあう方が良いにきまっています。

そういう意味で、今PS3やPSPがここまで粘って市場を構築したことは、ゲーム業界全体にとっては大変に素晴らしい出来事です。ソフトをリリースするゲームメーカーにとっても、ゲームを売るお店にとっても、ゲームを遊ぶユーザーにとってもです。

さて、ぽっかりと穴を空けてしまった任天堂、もちろんこのままSCEにまかせようなんて微塵も思っているわけはありませんね。3DSの本体価格を1万円さげ、マリオカート7やスーパーマリオランドなどのキラータイトルをひっさげ、年末商戦は全力で勝負に来るでしょう。ここでの成果が、3DSの今後を決定づける重要な商戦です。SCEだって、PS3とPSPだけではありません、むしろ一番大事なのは新ハードPSVitaの発売です。当然、垂直立ち上げを狙ってくるはずで、本体発売と同時にリリースされるソフト、いわゆるロンチタイトルに注目が集まります。

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PS3やPSPが好調に市場を牽引し、3DSやPSVitaなどの新ハード話題を作り、2011年後半、各プラットフォーマーが切磋琢磨することでゲーム業界は大いに盛り上がることとなりそうです。

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