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粘りに粘ったPlayStation陣営が迎える収穫期(2ページ目)

これまで、コンシューマーゲーム業界におけるハードの市場争いの多くは、人気のハード1台が圧倒的に市場を支配する一強皆弱の世界でした。PlayStation3やPSPも、WiiやニンテンドーDSというトップハードに先行され、苦しい展開からスタートしました。しかし、それでも辛抱強く耐えぬいた結果、大きな収穫期を迎えようとしています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

現役トップハードとなったPSP

PSPの広告展開の図

モンスターハンターポータブルシリーズユーザーの低年齢化、ダンボール戦機のヒットをきっかけに、子供層にも市場を広げつつあるPSP

PSPは2010年の年末商戦、3DSへの移行直前でニンテンドーDSにタイトルが少ない中、モンスターハンターポータブル 3rd(以下モンハンP3rd)で大きく台数を伸ばしました。2011年も、コアな任天堂ファン中心に売れていく3DSを尻目に2011年6月発売のダンボール戦機で子供層を開拓。夏は「この夏、PSPが激アツだ!」というキャッチコピーとともに低年齢向けマーケットに力を注いできました。

次世代機であるPlayStationVita(以下PSVita)の発表後も本体普及が衰えることはなく、既に普及台数は1,700万台以上。DSが約3,300万台、次いでPSP、そしてWiiが約1,200万台、という状況なので、DSが旧ハードとなってリリースタイトルも少なくなった今、市場における事実上の現役トップハードはPSPということになります。

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DSはポケットモンスターブラック・ホワイトを最後に主導権を握る任天堂が3DSへ注力することで一気に過去のハードになった感がありましたが、PSPはサードパーティー中心のせいか、PSVitaの発売が迫っているにも関わらず、最後の最後まで賑やかに展開していく形となりそうです。

ダブルファイナルファンタジー

FF13の図

FF13-2は、FF13の続編的作品。

PS3、PSP共に非常に良い状況の中、より重要になるのは目玉となるタイトルでしょう。秋以降続々とソフトが登場していきますが、その中でも大型タイトルとして目玉になるのはファイナルファンタジーシリーズのスピンオフ作品です。

PSPでは2011年10月にファイナルファンタジー零式、PS3では2011年12月にファイナルファンタジー13-2の発売が予定されています。PSPはモンスターハンターポータブルシリーズの印象が非常に強いハードですが、次に売れているのがディシディア ファイナルファンタジーや、クライシスコア ファイナルファンタジー7などのファイナルファンタジーシリーズスピンオフ作品です。PS3に関しては、唯一のミリオンタイトルであるFF13の続編が重要になることは言うまでもありません。両タイトルのメーカーであるスクウェア・エニックスも看板タイトルとして大規模な広告展開を打ち出し、両ハードを盛り上げていくものと思われます。

DSが3DSへのバトンタッチに手間取り、Wiiが存在感を欠く中、PS3とPSPといったライバルハードが市場を盛り上げていく展開は、これまでのゲーム業界では中々見られなかった興味深い状況です。
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