PSPの低年齢化
お店でも、子供向けデザインの販促物が飾られるようになりました。PSPはかなり意識的に低年齢層を狙ってきています。
それよりも、任天堂がここまで慌てる理由として普通に考えられるのはライバルハードの存在です。まず、DSのライバルだったPSP。これが2010年末発売のモンスターハンターポータブル 3rd(以下モンハンP3)で大躍進し、その後も堅調に推移しています。ただ堅調なだけなら良いかもしれませんが、ジワジワと遊ぶ年齢が下がってきていると言われています。そんな中、実に見事に登場したのが2011年6月16日に発売されたレベルファイブのダンボール戦機でした。発表時点では内容がPSPのユーザー層よりも下すぎると懸念もありましたが、新規タイトルながら見事30万本近くを販売し、PSPの低年齢向けの先陣を切りました。
そしてこの夏、SCEはかなり低年齢層を意識した展開をしています。「この夏、PSPが激アツだ!」というキャッチコピーと共に、これまでSCEが持っていたおしゃれな雰囲気ではなく、コロコロコミックといった児童誌にあるような、原色をバーンと扱った派手な色彩で、ダンボール戦機やパタポン3、トリコ グルメサバイバル!や太鼓の達人ぽ~たぶるDXといったタイトルをプッシュした告知展開を行っています。
これ、実は今までのSCEにはあまりなかった展開なんですね。ファミリーではなく、子供層に直接訴えかけるやり方です。DSは非常に子供に強いハードでしたが、3DSはまだそれほど手が伸びていません、ここでPSPが子供層へアプローチをかけるというのは実にうまいタイミングかもしれません。
PSPとPSVitaの挟撃
2011年冬には、いよいよPSVitaが登場します。
1月にプレゼンテーションされた性能から、コアゲーマーに向けたハイスペックのハードという印象がありましたが、この価格によって、3DSはファミリー層を取り込める買いやすいハードで、PSVitaはコアゲーマーが買う高級機、という住み分けが怪しくなりだしました。
PSPが低年齢層を獲得しだし、PSVitaはスタートはコアゲーマーを取りに行きつつも、モンハンPシリーズを武器にPSPの市場を移動させやすい価格帯で勝負をかけてきた、という状況。2011年半ばに入って、PSPとPSVitaによる3DS包囲網がどんどん強くなっている印象です。そんな中で、任天堂は最悪のシナリオを回避に動きました。