子どもにいつから勉強をさせたらよいのか?
先日も未就園児のお母様がたと懇談する機会がありました。私がオールアバウトで小学校受験や幼稚園受験の記事を書いていたことを知ると「いつ頃から始めた方がいいのですか?」「フラッシュカードをやらせたいのですけど」のような、ご相談を受けました。
まとめてみると次のようなポイントに関心が高かったようです。
・早期教育はいつから始めたら良いか?
・幼稚園まで何もしないと遅れてしまうので、何をやらせたら良いのか?
・子どもに何が良いか分からないので、通信教育をやらせているがそれで良いのか?
・文字はいつから教えれば良いのか?
・幼稚園受験や小学校受験はした方が良いのか?
・幼稚園の選び方がわからない
主な情報源がママ友達のために、どうしても同年齢の情報に偏り、幼稚園や小学校、ましてその先の中学・高校・大学なんて時間軸が遠すぎてぼんやりとして見えていないようです。
インターネットを駆使すればかなりの情報を集めることができる現在でも、お子さんの年齢が低いとそこまでしようとは思わないようです。そのために偶然ママ友グループの中に兄弟姉妹で上の子を持つママの話が強い影響力を持ちます。
どうやら何らかの早期教育をするつもりのママさんが大部分のように感じました。早期教育するかどうかではなくて、いつ、なにを、どのようにやらせるかが関心の的なのです。
早期教育の大部分が先取り教育
「早期教育は子どもの将来のためになるか」という問の立て方ではなんともお答えできません。まずは早期教育の内容を明らかにして、それが子どもの学力や社会人としての生きる力につながるかどうかを考えなくてはなりません。早期教育は次のように分けられます。
・子どもに何らかの才能が見られ、それを伸ばす「ギフテッド教育」
・幼少期から特定の分野を伸ばす「エリート教育」
・幼児にも学ぶ力がありそれを伸ばすべきだとの考えに基づく「就学前教育」
・小学校の勉強が始まる前に学習内容を先取りする「先取り教育」
・人格形成や知性の基礎を作るための情操教育
21世紀に入って世界の潮流としては、人間としての基礎をつくるために保育と知育(情操教育を含む)のバランスを重視する傾向が強くなっているのです。
学校教育の先取りは、いずれ誰もができるようになるものを早く取り掛かっているだけなので、あまり子どものためにならないでしょう。むしろ脳の発達の過程でまだ理解できない概念に基づく手法を訓練で教え込むことは、悪い影響が出るかも知れないのです。