国民年金保険料を事後納付するメリットとは? 

先日、年金確保支援法が成立しました(詳しくはこちらの記事「これって朗報?年金確保支援法成立」を参照して下さい)。これにより今まで国民年金の未納分の事後納付期間が、2年間から10年間に延長されることになります。では、そもそも「未納期間」について事後納付するメリットって何でしょう?

まずは、何と言っても「納付期間を増やせる」ということでしょう。公的年金は、原則25年以上、保険料を納付しているか免除している期間がなければ1円も受け取れない仕組みになっています。また、納付期間に比例して年金額が増えるため、事後納付すればその期間だけ「将来受け取れる年金も増える」わけです。

年金の事後納付はどれだけお得?

さて、「年金が増えるって言っても、一体どれぐらい増えるの?」という疑問をもたれる方もいらっしゃるでしょう。費用対効果の面から、「事後納付がおトクなのかどうか?」ざっくりと検証してみたいと思います。

現在、老齢基礎年金は満額で年約80万円です。これに国民年金の保険料を1年間納付すると、年約2万円老齢基礎年金が増える計算となります。つまり、現在の保険料月額約1万5000円を12ヶ月納付すると18万円となり、それに対して増える年金は約年2万円ということです。そしてこれが65歳から一生涯受け取れることになります。

仮に80歳まで15年間受け取れるとすると、2万円×15年=30万円となるため、18万円支払って、30万円受け取れる(増える)ということです。いつまで元気でいられるかによっておトク度合いは変わるとはいえ、まあ「おトク」ではないでしょうか?

以外にオイシイ「所得控除」という恩恵! 

事後納付にはもう一つ忘れてはいけないメリットがあります。それは「所得控除」という税金優遇の活用ができることです。現在、公的年金の保険料は全額所得控除(社会保険料控除)の対象となっており、過去の未納分をまとめて払った分も、全額が控除の対象となります。

所得控除が多くなればなるほど、納める税金の額が少なくなります。事後納付できる期間が2年間から10年間に拡大される事で、所得が高い方にとっては魅力的な「節税対策」となり得そうです。ちなみに民間の生命保険の個人年金については、いくら保険料を払っても最高5万円しか所得控除が受けられませんので、そういう意味で公的年金は税法上も優遇されています。

もちろん、現在、会社員の方も直近2年間(年金確保支援法施行後3年間は10年間)の間に国民年金を滞納している方は、事後納付が可能です。検討の価値アリですね。

(現在の事後納付期間の2年間について、未納分の納付は義務となっています。また、ご自身の所得や所得控除額によっては、税金優遇の恩恵が受けられないケースもあることにご注意を!)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。