DTM・デジタルレコーディング/デジタルレコーディング基礎知識

どうなる?64bit時代のReWire問題(2ページ目)

アプリケーション間でオーディオやMIDIの接続を行い、同期ができる仕組み、ReWire。使っている人も多いと思いますが、64bit化が進む中、いま大きな岐路に来ているように思います。現状と今後について考えてみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

VOCALOID 3はReWireに非対応!?

VOCALOID 3

発表会で披露されたVOCALOID 3 EditorはReWire非対応

VOCALOIDの新バージョンとしてVOCALOID 3が発表され、9月末に発売されることになったのは先月もお伝えしたとおりです。ところが、先日DTMステーションの記事でVOCALOIDの開発者であるヤマハの剣持秀紀さんにインタビューしたところ、意外な事実がいくつか見えてきました。

そう、VOCALOID 3の編集機能であるVOCALOID 3 Editorはオーディオトラックを持つようになり、DAWなどと連携する必要性が薄まったということで、ReWire機能を廃止するということなのです。

もちろん、多くの初心者ユーザーにとって、ReWireはなかなか分かりにくい機能なので、VOCALOID本体にオーディオトラックが装備されて、完結できるというのは喜ばしいことです。ただ、DAWとの連携を常にしていたハイエンドユーザーも多いため、なんとかReWireを復活させてくれないか、という声も上がっているようです。

PropellerheadのReason自体も以前のような勢いがないため、VOCALOIDがReWire非対応となるとReWireの必要性そのものが薄らいでくるような気もします。

64bit環境では使えないReWire

64bit ReWire

64bit版、SONARで見るとReWireがグレーアウトされていて使えない

ReWireの必要性を議論する上で、さらにずっと問題視されてきたことがあります。それはReWire自体が32bitアプリケーションでのみ動作し、64bitアプリケーションでは使えないことです。

ご存知のとおり、WindowsにおいてはSONARCubase、StudioOneなどが、MacでもLogic、Cubase、StudioOneなどが64bit版のアプリケーションをリリースしており、Windows 7の64bit版、またMac OSX Lionなどで64bitネイティブで動作させることができます。

ところが、せっかくの64bitアプリケーション上ではReWireを使うことができないのです。DAW上ではReWireという表示は見えるものの、グレーアウトされてしまって使うことができません。

これは単純にPropellerheadが64bit対応のReWireを出していないことが原因であり、Propellerheadが動かない限り、どうしようもないことのようです。

個人的には以前、何度かPropellerheadの方にお会いした際などに、64bit版を出してほしい、とお願いしてきましたが、優先順位の問題なのか、なかなか対応されず、かなり時間も経過してきたため、半分あきらめモードでおりました。

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