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湯と森で美しく健康に 遠刈田温泉ゆと森倶楽部

「美味しい物を食べたい。温泉でのんびりしたい。さらに、美しくなりたい」。そんな欲張り女性の願いを叶えてくれる宿が、蔵王国定公園の森にある「ゆと森倶楽部」。野菜ソムリエ公認のレストランで野菜をたっぷり食べて、滑らかな湯で癒される。しかしここは森の中。部屋の中でゴロゴロしているのはもったいない。散歩や乗馬、朝ヨガでしっかり体を動かそう。きっとあなたも美しく健康になれるはず。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

体重計なんて怖くない!

ゆと森

緑囲まれた本館

「温泉に来たんだから美味しい料理をたくさん食べて、のんびりするんだ~」と、女二人旅の示し合わせたかのようなセリフ。
思う存分満喫して家に戻り、体重計の上で「しまった~!」となる結末のご経験はないだろうか?

「美味しいものを食べて、のんびりして、美しく健康にもなりたい!」。そんな女性の欲張り三拍子の旅におすすめなのが、宮城県の遠刈田(とおがった)温泉にある「ゆと森倶楽部」だ。 

蔵王権現へ通じる宮城県側の登り口に位置し、江戸時代から宿坊や湯治場として賑わった遠刈田温泉。情緒が残る街の中心地を抜け「こけし橋」を渡る。

ここ遠刈田温泉は「日本三大こけし発祥の地」として知られ、とりわけ夏は快適な避暑地となる。

JR仙台駅と宿の間を毎日運行している無料送迎バス(要予約)で、高原の木々の緑を楽しみながら、約70分で到着する。東京からだって3時間余り。東北とはいえ、そう遠くはない。「ああ、とおがった~」なんてギャグを飛ばす必要もない。

ゆと森

優しい色使いの客室

この森に囲まれた「ゆと森倶楽部」は元からあった公共の施設を「蔵王の森ががつくる美と健康の温泉宿」のテーマに改装し、かつての姿からは想像もできない女性好みに変貌させた。手掛けたのは、大型旅館を10年かけ個人のリピーター旅館に再生した仙台の「一の坊グループ」。その妙をとくと体験してみよう。


 

アクティビティで感性を刺激する

ゆと森

森の午後散歩

まず、宿のお楽しみは豊富なアクティビティ。蔵王国定公園の中、13万平米の敷地を使って多彩なプログラムが用意されている。予約をせずに当日参加できるのは「森の散歩」や「朝ヨガ」など。宿泊日に合わせて事前に申込みができる「手作り工芸」や「陶芸体験」を合わせると、全部で13ものプログラムがある。これなら楽しい滞在計画が立てられそうだ。


 
ゆと森

初心者でも安心の乗馬体験

その日のチェックインは15時過ぎ。16時には「森の午後散歩(参加無料)」が始まると聞き、部屋に荷物を置いてくる。カメラを片手に玄関前に集合し、インストラクターを先頭に全長1.2キロの散策道を歩き出した。おばあちゃんと孫が手を繋ぎ、おじいちゃんが野草の名前を教えてあげている姿が微笑ましい。大きなお腹を抱えた新婚カップルも参加している。同じ道では乗馬体験(要予約)も行うが、アップダウンが無いので初心者でも安心して憧れの乗馬を体験できる。


 

温泉で心身ともにリラックス

ゆと森

「YOGAの森」の入口

暗くなる前に必ず訪ねたいのが、野天風呂「川の湯」。場所は宿から300歩ほど歩いた「YOGAの森」の中にある。

この森は、セミナーや体験アクティビティを行う「遊学ハウス」、朝ヨガを行う「YOGAテラス」を備える創造的な空間だ。


 
ゆと森

女風呂「まる」 目の前を渓流が流れる

浴室棟は無人で、フロントから暗証番号を渡され、小さな灯に照らされた遊歩道を辿っていく。森を流れる渓流沿いに男湯と女湯が一つずつ。お湯はクセがない源泉かけ流し。川のせせらぎを聞きながらゆっくりと湯船に浸かれば日頃の疲れが抜けていく。夜にはライトアップされるというのでもう一度訪ねてもいい。

お風呂上がりは本館のラウンジに戻り、野菜ソムリエ手作りの「ベジタブル・ジェラート」をいただこう。日替わりで10種類が用意され、自然な甘さがお風呂上がりに優しく染み渡る。

 

お待ちかねの夕食は、次ページ

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