今回も各住戸の大切な性能部分の確認方法を見てまいりましょう。
住宅性能評価書の見方(1)、 (2)に引き続き、今回は各住戸の省エネ性、シックハウス、光・視環境、バリアフリー性、防犯性の性能部分を詳しく見てまいります。
省エネ性はどのくらい?
住宅本体の省エネ性が分かるのが「5.温熱環境に関すること」の部分です(【図5】参照)。図をクリックして拡大して見ながら読み進んでください。5-1「省エネルギー対策等級」は住宅の構造躯体の断熱化や窓の性能など省エネ性を示す部分で、等級が1~4まであり、このモデルでは「等級3」仕様となっています。
等級3は1992年の「新省エネルギー基準レベル」です。等級3の場合、窓がペアガラスではなく単板ガラスの可能性があります。住宅の省エネ性を考える時、窓から出入りする熱の制御を抜きには語れません。ペアガラスは断熱性能が優れており、これからの省エネルギー時代には北海道・東北などの寒冷地のみならず、関東地域でも必要な性能だと思います。
シックハウス対策
6.「空気環境に関すること」ではシックハウスを引き起こすといわれる「ホルムアルデヒド」が含まれる建材がどの程度使用されているかを明示しています(【図5】参照)。6-1「ホルムアルデヒド対策(内装及び天井裏等)」の部分で特定建材、その他の建材を使用するにチェックが入っており、「ホルムアルデヒドを含む可能性がある建材を使っている」ことがわかります。このモデルによると「等級3」。等級3の場合は内装材や目に見えない天井裏のような部分でも、ホルムアルデヒドの発散が少ないF☆☆☆☆(フォースター)の建材を使用していることを示しています。F☆☆☆☆であれば、ホルムアルデヒド発散量は極めて少ない、と思ってよいです。
また、6-2「換気対策」の部分で室内の換気(給排気)」を(1)全て機械で行うのか、(2)給気は自然給気で排気だけ機械を使うかなど、換気方法を明示しています。マンションの場合(1)か(2)かどちらかになります。(1)の方が計画的な換気ができます。(2)の場合は室内に給気スリーブ(穴)が開いています。
同じく6-2「局所換気対策」の部分では、便所、浴室・台所といった局所換気の必要な室に機械換気設備がついているか、またそれぞれの室に自然換気のできる窓がついているかを明示しています。
次のページでは、窓の大きさとバリアフリー性能の評価を見てみましょう。