絵本/絵本人気ランキング

2011年上半期絵本人気ランキング(6ページ目)

ネット通販サイトAmazon.co.jp から、「2011年 上半期Booksランキング」が発表されました。ランキング入りした絵本は、本棚にそろえておきたいおすすめ作品ばかり。そこで、各絵本のイラストレーターにスポットを当てながら、ランクインした人気の絵本をご紹介します。

執筆者:大橋 悦子

第5位 子どもの経験を上手く活かした
『とけいのほん1 』

とけいのほん1

時計の読み方が身につくだけじゃない! +αの効果が期待できる絵本


この作品は、小さな子どもたちに時計の読み方を教えてくれる本として、人気が高いようです。でも、この作品のよさは、それだけではありません。「時計が読めること」の一歩先、つまり「時間を理解すること」を見据えて、絵本が作られているように思います。もともと、時計が読めることと時間の概念が理解できることとは、全く違います。それは、100まで数えられるからといって、数の概念を理解しているとはいえないのと同じこと。この作品には、「時計を読むこと」と「時間を理解すること」の間にある大きな溝を埋めていく工夫が見られます。

時計の針にあたるちびとのっぽが、散歩に出掛けます。2人が、どんぐりぼうややひかりのぼうやたちと出会ったり別れたりすることで、子どもたちは「時間の経過」をなんとなく感じることができます。そこに時計で表現された「時間」が自然と結びついていくように描かれているのです。

とけいのえほん2

2冊セットでどうぞ 『とけいのほん2』

多くの子どもたちには「公園に遊びに行ってお友だちと会い、しばらく遊んだら、さようならをして帰る」というような時間経過の体験があります。この絵本は、こういった体験を下敷きに、似たような出来事を絵本上で追体験させることで、目には見えない「時間」を「時計」と結び付けて体感させようとしているように思います。まついのりこさんは、こういった子どもたちの小さな経験や、母親としての目線を大切にしながら、絵本製作に取り組んでいらっしゃるのではないでしょうか?


【書籍DATA】
とけいのほん1 (まついのりこ:文/絵)
価格:945円(税込)
出版社:福音館書店
推奨年齢: よんであげるなら4歳から
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