第6位 変化の瞬間を捉えて子どもたちを魅了する
『もこ もこもこ』
絵を描いた元永定正さんは、モダンアート界の鬼才で、前衛画家として初めて紫綬褒章を受章した芸術家です。その元永さんが、これまた鬼才と言ってよい谷川俊太郎さんとコンビを組んで作った絵本が『もこ もこもこ』です。
この作品の実力は、表紙を開いた瞬間にわかります。扉をめくるその一瞬で、子どもたちを絵本の世界に引き込み夢中にさせるのです。最初のページには「しーん」という言葉とともに無が表現されます。ここから何が始まるのか、次に何が起こるのか……読者の期待は膨らんで、その期待はすぐに最高潮にまで高められ、最後まで裏切られることなく、様々な音とともに絵の変化を楽しむことができます。
ページをめくるたびに現れる絵は、どれひとつとして具体物を表すものはありませんが、読者によって、風船のようにも花のようにも見え、それぞれの空想の世界で思う存分遊ぶことができるのです。その想像の世界は、読むたびに違った広がりを見せ、何度読んでも飽きるということのない作品です。
【書籍DATA】
もこ もこもこ (谷川俊太郎:作 元永定正:絵)
価格:1365円(税込)
出版社:文研出版
推奨年齢: よんであげるなら0歳から
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