投資信託/投資信託(ファンド)の基礎を学ぼう

実質負担3%!? あなどれない投資信託の隠れコスト(2ページ目)

投資信託を利用する際は、信託報酬、申込手数料、信託財産留保額の3大コストをチェックするのが基本です。しかし、商品によってはこれ以外の"隠れたコスト"が思わぬ負担となっているケースもあり、注意が必要です。その確認方法とは……?

執筆者:村岡 里香

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信託報酬と諸費用を合わせた実質負担率は?

下の表は、実在する外国株式ファンドの実質的なコストの負担率を、直近の運用報告書をもとに算出したものです。
実際のコスト負担

各ファンドの直近の運用報告書の「1 万口(元本10,000 円)当たりの費用の明細」と期中の平均基準価額をもとに作成。実質負担率は「費用の合計×信託報酬率÷信託報酬額」でもざっくりと計算できます(実際の数字を正確にあらわすものではありません)。※Bグローバル好配当株式ファンドは半年間の費用明細をもとに計算しています。

簡易計算なので正確な数字をあらわすものではありませんが、「その他の費用・手数料」が抑えられているものもあれば、かさんでしまって実質負担率が3%をこえているものもあります。なぜ、このような差が出るのでしょうか?

「その他の費用・手数料」がかさむ原因は?

バイアンドホールド

頻繁に売買しない「バイ&ホールド」の運用スタイルのファンドは、コスト率が相対的に低い傾向があります

「その他の費用・手数料」がかさむ原因としては、
1.売買の回転率が高い
2.純資産残高が小さいために経費率が高くなっている
3.純資産残高が一気に急増したことで売買注文が増えた
4.新興国ファンドの場合、取引コストや資産の保管コスト等が高くなる傾向がある
などが考えられます。

諸費用はあくまでその期中に発生した金額であり、決算期ごとに金額は違ってきます。しかし、もし保有する商品の実質コストが、上記の「1」や「2」の理由で継続的に高いようなら、他の商品への乗り換えを検討することをおすすめします。純資産残高が10億円未満に減っていないかどうか、運用報告書の売買比率が1%をこえていないかどうかを確認してみましょう。

投信評価会社のサイトで実質コスト率を比較できる

また、投信評価会社モーニングスターのサイトでは、各ファンドの運用報告書をもとにした「実質の経費率」が掲載されているので、実質コストの確認に便利です。ファンド検索で商品を選択し、「コスト」をクリックすると、同じカテゴリー商品の平均負担率と比較もできます(まだ更新されていない場合は最新の運用報告書でご確認を)。

チリも積もれば山となる投資信託の保有コスト。隠れたコストにもしっかりと目を向けて、十分妥当と思えるファンドと長く付き合っていきたいですね。

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