ストレス/身近な人のストレスケア

大切な人に精神科を受診させる上手な促し方(2ページ目)

ストレスがたまりすぎると、気分転換では解消せず、精神科受診が必要になることもあります。そんなとき、周りはどのように受診を促せばいいのでしょう? 上手な誘い方をお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

受診はあせらずに、ゆとりを持って 

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猶予があれば、気持ちも変わる

治療が必要な段階なのに、受診の機会を先延ばしにしていると、症状は悪化してしまいます。そのため、心配な症状が増えてきたら、周りの人が早めに受診するように上手に勧める必要があります。

いきなり「あなたは病気なんだから、早く病院へ行かなくちゃ」と言っても、その気にならないばかりか、逆に反発してしまうのではないでしょうか。そこで、段階的に自分の状況に直面化させる、という方法が有効です。つまり、「すぐに病院へ」と無理に誘うのではなく、少し猶予を置いて本人に受診への自己決定をさせることです。

受診に抵抗したときには、その意志をまず尊重しましょう。そして、たとえば「まず1ヶ月間様子を見てみようか。それでも状態が変わらなかったり、悪くなっていくように感じたら、そのときには改めて受診を考えてみない?」というように提案してみてはどうでしょう。また同時に、「症状に合う薬を飲めば、きっと今より状態はよくなる」「早く治療すれば、早く回復する」というように、受診によって今より楽になることを啓発しておくことも大切です。

本人はとてもつらいわけですから、症状が長引けば、受診に前向きになっていくはずです。大切なのは、本人に受診への意欲を持たせること。そのためには、あせらずに段階的に受診を考えるためのゆとりを用意することが大切です。
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