3.5Lだけどレギュラー仕様、しかも休止する!?
一時はホンダ一大きなセダンだったインスパイア。レジェンドの室内長2025mm×室内幅1515mm×室内高1185mmに対し、インスパイアは1920×1525×1220。室内幅と室内長はインスパイアのほうが広いんです
結局市況の悪化などにより、その案は見送られましたが、つまりアコードでもありインスパイアでもありレジェンドとほとんど同じ大きさで……と、ちょっと複雑な家庭事情ならぬ社内事情を抱えたインスパイア。そのデビューは2007年12月でした。V6の3.5Lを搭載し、先に述べたように堂々たるボディをもち、しかも最新技術が満載という中身ながらも新車時価格は330万円(35TL)と390万円(35iL)。価格だけは「アコード以上レジェンド以下」で、かなりお買い得感がありましたでした。それが原稿執筆時点で見ると中古車が162万円(2008年式/7.3万km/修復歴なし)から狙えるのですから、さらに魅力度が増しています。
横滑り防止のVSAは全車に標準。クルーズコントロールで走行している際、前車が自車の設定速度より遅かった場合、自動的に減速して前車に追従していくアダプティブ・クルーズ・コントロール(35iLに標準装備)も備えています
まず大きな特徴が、3.5Lという大排気量ながら、レギュラー仕様だということ。加えて、燃費向上のために先代譲りのシリンダー休止システムを採用。これは先代に搭載された3LのV6にも搭載されていたシステムで、高速走行時などで片バンク、つまり3気筒を休ませるというもの。それをこの5代目ではさらに進化させ、状況に応じて6気筒/4気筒/3気筒が働くというシステムに進化させました。これによって、さらにスムーズに加速し、効率よく休止して燃費を稼げるようになっています。この技術、アコードやレジェンドにはありません。ちなみに10・15モード燃費は9.8km/L。
もちろんエンジンだけがインスパイアの魅力ではありません。次ページでその魅力をさらに見ていきましょう。