介護職員の給与は介護報酬から出されている

2008年9月のリーマンショック以降、新たな就職先として福祉業界がに関心が集まり、改めて他業界との給与水準が比較されるようになりました。収入財源の多くを介護保険から支払われる介護報酬に頼っているため、おのずと売上の上限が決まってきます。言い換えると給与は、国が決定する介護報酬額に左右されます。

例えば、2009年度より期間限定で導入された介護職員処遇改善交付金。これは介護職員の質と量の確保を目的に、処遇改善に向けて努力した事業所に交付される制度です。2010年介護従事者処遇状況等調査結果の概況(案)の報告書では、2009年に比べ2010年は平均給与額が月額15,160円増加しています。年間180,000円の増額となり、このように給与原資が確保されると支給額を上げることが可能となります。

これらの理由から、介護事業所の売上は国の政策に深く関わっているため、給与面だけを一般の営利企業と同列に比較するには無理があります。

介護職員の平均年収は?

就職・転職を考え業界事情調べを始めると、最初に気になるのは報酬の部分です。就職・転職希望者は少しでも給与額の良いところ、自分にとって有利な条件に就職したいと考えます。では、現状はどのようになっているのでしょうか。
福祉施設介護員undefined常勤労働者

厚生労働省「平成22年賃金構造基本統計調査」 福祉施設介護員(常勤労働者)

 

ホームヘルパーundefined常勤労働者

厚生労働省「平成22年賃金構造基本統計調査」 ホームヘルパー(常勤労働者)

 

短時間労働者

厚生労働省「平成22年賃金構造基本統計調査」 短時間労働者

 

上記は、福祉施設介護員とホームヘルパーの平均年収や年間賞与額をそれぞれ表しています。ここでのホームヘルパーの勤務先は、訪問介護、有料老人ホーム、デイサービスなどの事業所です。

福祉施設介護職員とホームヘルパーの平均年収に差があります。主な理由は、福祉施設は賞与の支給が基本とされているからです。

福祉施設介護員、ホームヘルパーの男女経験者の年収を比較すると、ともに男性が上回っています。男性職員は勤務を継続し定着しやすいので、昇給が反映され役職を任されやすい要因があります。

一方、女性職員は男性職員と比べて労働者数の母数は多いです。年齢幅が広い上に、出産や家庭の事情などによる離職率が高いため平均年収が上がりにくいことがあります。

短時間労働者については、ホームヘルパーの時給は福祉施設介護員に比べ300円高いのですが、平均年収は低くなっています。訪問介護の場合、訪問先の事情や希望に合わせた勤務のため、1日の労働時間が短い傾向があります。日々安定した勤務時間を確保したい場合は、営業時間内に一定職員を配置している老人ホームなどの入所系やディサービスなどの通所系の職場を選ぶとよいでしょう。

月々の総支給額のみに注目するのではなく賞与を含めた年収単位で見たり、賞与算出のベースとなる基本給を確認しておくことも大切です。