シチリア島の歴史
シチリア島の魅力を生むベースには、その長く複雑な歴史が大きく影響しています。まずは、シチリア島の歴史を簡単にご紹介しましょう。地中海の真ん中に浮かぶシチリア島は、その周辺、わずかな距離にアフリカ、アラブ諸国、ギリシャなど…かつての列強国が点在しています。シチリア島の歴史は今から3000年前、つまり古代ローマ帝国以前に栄えていたギリシャから、古代ギリシャ人が東岸に入植し、「マーニャ・グレーチャ(大ギリシャ)」を形成した頃から始まります。
西岸には、同時期にカルタゴ人、フェニキア人が入植。その後、ローマ帝国軍に侵略され、8世紀頃にはアラブ人が入植し、次いで、11世紀頃に入植したノルマン人によってシチリア王国が創建されました。首都となったパレルモは、この時代、ノルマン、ビザンチン、アラブ文化が共存する黄金時代を迎えます。現在のパレルモでも、この時代の素晴らしい遺構を街のあちこちで見つけることができます。
そして中世期以降には、フランス、スペインと続き、特に13~19世紀まで長きに渡りシチリアの支配者となったスペイン王国によって、現在のシチリアがカタチ造られました。負の遺産としての「マフィア」もこの時代の後半に生まれています。
その立地、その豊かさから、さまざまな列強国に浴され支配され、そして地中海の十字路として商業・文化の中心として栄えた歴史を持つシチリアには、「3000年分の置き土産」が、まるでミルフィーユの層のように折り重なっているのです。
シチリア島の見どころ
シチリアのゲートウェイシティは、西岸の州都パレルモ、東岸のカターニャ。それぞれを拠点に周辺の魅力的な街にアクセスすることができます。東側は、3000メートル級の雄峰エトナ山の麓、映画の撮影地としても知られる世界有数のリゾート地タオルミーナ、三千年の歴史都市シラクーサなどがあります。西側は、パレルモを始め、最近人気の高まっているチェファルー、アフリカの息吹を感じると世界遺産の遺跡群があるアグリジェントは東西の真ん中あたり。
海沿いの街はもちろん、どの街からも海まで近いため、存分に地中海を楽しむ旅プランがオススメですが、それは「ビーチで泳ぐ」に限りません。海沿いに並んだリストランテで食事をしたり、地中海から上がる新鮮な魚介類をたっぷり使った料理に舌鼓を打ったり。はたまた美しい海景色を眺めての~んびりしたり。海に近い街ならではの楽しみ方はいろいろです。
街では、遺跡めぐりや歴史建造物の見学以外にも、イタリア有数の食文化を目の当たりにするのも楽しい。市場を訪れてみたり、シチリアならではの郷土料理・郷土ドルチェを探して食べ歩くのも、シチリアでは欠かせない旅の楽しみです。