バゲット、ライ麦パン、食パンのおいしい食べ方
シモン・パスクロウさん
シモンさんは日本に初めてフランスのパンの技術を伝えたレイモン・カルヴェル教授の愛弟子。今年で106周年を迎えるドンク各店で技術指導をする傍ら、消費者に向けて楽しいセミナーを行っています。
「パンはお皿みたいなもの」とシモンさんは言います。「冷蔵庫にあるもの、残りものをのせて、ちょっと温めたら栄養バランスもとれますね。食べものは元気の素。家でパンといろいろなものを合わせて楽しんでください」
今回使われたパンはバゲット、パン・オ・セーグル(ライ麦粉の配合されたパン)、パン・ド・ミ(食パン)。すなわち最もベーシックなパン3種類です。
シモンさんが紹介したおいしい食べ方はワインに合うシンプルな前菜からバナナとチョコレートのおやつまで、どれも簡単に作れそうなものばかり。早速レポートしましょう。
セミナーはドンクの店頭と公式サイトで告知。今後の予定は記事の最後に記載
バゲットを使ったブルスケッタ
バゲット(305円)。最もポピュラーなフランスパン
もっと簡単な方法としてパンをトーストしたものに、ニンニクやトマトをこすりつけるだけでもいいし、ガーリックバターやオリーブオイルを塗ってトーストしたパン(あるいはラスク)にトマトをやモツァレラチーズをのせてもOKです。国籍問わず多くの人に愛される、素朴でベーシックな前菜です。
マンゴー&オレンジジャムとオリーブオイルのカナッペ
トマトのブルスケッタ、マンゴー&オレンジジャムとオリーブオイルのカナ ッペ、マンゴー&オレンジジャム(588円)とオリーブオイル/バジル(683円)
これはドンク各店で販売されている、パンと楽しむためのオリジナル商品の紹介でもありましたが、試食してみて初めての味わいに感動しました。バジル入りのオリーブオイルとマンゴーとオレンジの甘いジャムが非常によく合うのです。ジャムだけれど朝食ではなく、アペリティフ向きです。
初夏から夏の季節、こうした料理のお供には、冷やしてもよく、甘味と酸味のバランスとれてさっぱりとしたロゼワインがおすすめだそうです。
バゲットの歴史は意外にも浅くて、19世紀まではどこでもブール(大きくて丸いパン)が一般的だったそうです。「パン職人」を意味するブーランジェ(男性)、ブーランジェール(女性)という言葉はもともと「ブールを作る人」に由来するのですね。
大きいパンは食べるのに数日かけますが、バゲットは買った日に食べるのが一番。だからこうしたメニューをいくつか知っておくと良いわけです。