2010年の新規エイズ患者が過去最高を記録
厚生労働省エイズ動向委員会が5月23日、2010年に国内で確認された新たなエイズ発症者数は469人で、調査が始まった1984年以来過去最多となったことを発表しました。また、新たにHIVに感染した人は過去3番目に多い1075人でした。感染経路では同性間の性的接触が最も多く、患者と感染者合わせて974人と全体の63%を占め、次いで異性間の性的接触が322人で20%でした。年齢別に見ると、30代が550人で最も多く、次いで20代が383人、40代が318人などとなっています。
一方、全国の保健所や自治体が無料で実施しているHIV抗体検査を受けた件数は、約13万件(前年比13.%減)で、2年連続で減っています。保健所などへの相談件数も減少傾向にあるそうです。
エイズ動向委員会の委員長で東京大学医科学研究所の岩本愛吉教授は「検査が必要なのに、検査に行かないままエイズを発症した人が増えているのではないか」と分析しています。また、「40代や60歳以上の新規感染者が増加するなど、年齢層や地域の広がりが見られる。早期に発見して投薬治療を受ければ発症は防げるので、無料検査や相談の機会を積極的に利用してほしい」と呼びかけています。
厚労省や各自治体の担当部署の方たち、たくさんの団体の方たちは、これまであの手この手でHIV予防啓発や検査の促進のために尽力してきたと思います。にもかかわらず、ずっと検査を受けずにいて発症してはじめて感染に気づいたという人が、過去最高に多くなっているというのです。
それはいったいなぜなのでしょうか? 人々はどうして検査を受けようとしないのでしょうか? どうしたら検査を受ける人が増えるのでしょうか?
まがりなりにもHIV予防啓発のお手伝いをしてきた(「エスムラルダの『検査なんて怖くない』」というビデオ等も制作してきた)ゴトウなりに考えてみました。といっても、何も目新しいわけではない、よく言われていることだとは思いますが…
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