ハートアイランド、黒島

牛さん

ハートアイランドで一番よく目にするものは、ズバリ牛さんたちの姿です

八重山諸島の黒島は、周囲約12.6kmの小さな島。人間よりも牛の数が多い”牛の島”として知られています(その数なんと人口の10倍以上!)。

まるで島中が牧場のようなこの黒島では主に子牛の生産を行い、1年ほどこの島で飼育された牛たちは、セリにかけられそれぞれの産地肥育業者の元、その産地の牛として出荷されているのです。世の中に黒島牛というブランドがないので気づきませんが、私たちが日頃口にしている牛肉も実はこの黒島産であることも多いはず。

また、黒島は空から見ると島の形がハート型をしていることから、最近ではハートアイランドと呼ばれ親しまれています。ハートアイランドにちなんで、恋が成就する場所として若い人の注目を集める島となっているのだとか。隆起珊瑚礁の島なのでもちろん海の美しさも素晴らしく、島を訪れる観光者にはダイバーの姿も多く見られます。といっても、おそらくこの島は八重山の島々の中でも一番観光客が少ない島。その分、島全体に自然がそのまま残っている島なのです。なんといっても、牛の島ですからね! 今回は、そんなハートアイランド黒島のことについてお話しましょう。


黒島への行き方

黒島へ行くには石垣港から船路のみ。毎日、毎時間1本ほどの船が出ています。石垣~黒島便は台風やよっぽどの悪天候(強風、高波)でなければ欠航にはならないので、旅行のプランが立てやすい島といえます。


黒島の観光の仕方

牧場

黒島の風景といえば、ひろ~く広がる牧場。どこに行っても集落以外はほとんどがこの景色です

石垣島から船便の本数も多い黒島は、基本的に日帰り観光も可能。そして、黒島観光の基本は自転車です。周囲約12kmといっても、さすがに歩いてまわるには大き過ぎるし、かといってレンタカーというものは見かけないのがこの島。

島全体が平な黒島には日陰がほとんどないので、しっかりと帽子を被り日除け対策をした上で、自転車で島をまわるのがいいでしょう。港を降りるとすぐ目の前にレンタル自転車屋さんがあるので、日帰りで訪れる人はそこで自転車を借りてください。泊まりの人は宿泊する宿で貸してくれることも多いので、事前に宿の人に問い合わせてみるといいですね。
黒島の道

日本の道百景にも選ばれた黒島の道。残念なことに、島の人が百景に選ばれたなら!と、舗装化してしまったのだとか……

そして、黒島観光の方に一言。黒島は一部道がアスファルトに舗装されてはいますが、今でもほとんど自然そのままの形を保っている島です。どこまで行っても平で、無言で草を食む牛たちの姿が広がる島。石垣島はもちろんのこと、竹富島と比べても、ずっとずっと昔のままの島です。”何もしないを楽しむ”が、黒島の基本の、そして一番の過ごし方です。


黒島の自然

海の色

石垣島から黒島に向かう船の中から見た黒島周辺の海の色。こんなにも鮮やか!

ヤシガニ

高級食材でもある珍味、ヤシガニ。島の人は夜ヤシガニを捕まえに出かけます。

まわりをぐるりと珊瑚礁に囲まれた黒島は、海の色が本当に美しく、八重山の海の中でもピカイチ。黒島に向かう船では、ぜひ島に着く10分ほど前には甲板に出て、その光り輝くコバルトブルーの海を直に見ていただきたいもの。

4~9月の夜には、3種類のウミガメ(アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ)が産卵にやってくるという、世界的にも非常に珍しい場所なのです(ウミガメの産卵の見学などは宿の人や黒島研究所に相談してみてください)。冬から春にかけては島の西側をマンタが行き交い、夜になると島の道路上にヤシガニがゴソゴソと姿を現します。またこちらは人工的に持ち込まれたものが後から野生化したものですが、島のあちらこちらに孔雀の姿を見かけます。知らないで訪れると、いきなり現れた孔雀(時に群れをなしています)にびっくりするかも。
孔雀

島を散策していると遭遇する孔雀。ゆうゆうと集落の中を歩いていることも。

現在、黒島の孔雀の推定生息数は200~500羽だとか(※野生の孔雀による食害被害や島の生態系への被害もあり問題となっていますが、そもそも人間が持ち込み、人間の管理不足での野生化なので孔雀には何の罪もないことです)。