年金確保支援法を恒久化すべきでは?
今回の法案成立により、厚生労働省は、- 最大40万人が無年金でなくなる
- 最大1600万人が年金額を増やせる
そもそも「なぜ、恒久化しないのか?」という疑問が残るかと思いますが、恒久的に事後納付をすることを認めると「いつ納めても良いと言うモラルハザードを生む」ためというのが時限措置にした理由のようです。
ただ、恒久化した方が、納付する人は増えるでしょう。なぜなら、過去の未納分を納める経済的な余裕がある時期は、人それぞれ違いますし、年金の受給について真剣に考える時期も違うからです。
そうすると、そんなわがままを聞き入れる必要はないという意見も出るかと思います。確かにそうですが、「無年金になっても、生活保護で救ってくれる」「国民年金よりも生活保護を受けるほうが得」こういった噂が飛び交っていることも事実です(詳しくは「年金よりも生活保護の方が得って本当なの!?」を参照して下さい)。無年金になった人を救うのは、結局「国」です。国としても納めないより、納めてもらった方が良いのではないでしょうか?
受給資格期間短縮との整合性は?
もちろん、そもそも滞納せず毎月ちゃんと納付するのが一番でしょう。そのためにも、- 事後納付保険料額の設定 … 毎月納付や、免除期間の追納保険料よりも高く設定
- 税制優遇の格差 … 所得控除を半分だけ認める
ただ、気になるのは、昨今、受給資格期間を10年に短縮すると言う方針が打ち出されているわけですが、今回の法案とどう整合性を取るのか?ということです。
現在の受給資格期間である「25年」を満たすために事後納付する人にとって、近い将来、受給資格期間が10年に短縮されたら、納付期間分は年金が増えるとは言え、釈然としないのではないでしょうか?
抜本的改善の前に、出来る改善はどんどんするということのようですが、抜本的な方針が定まらないまま、小手先の修正をしても、制度に対する信頼は高まるどころか、ますます低くなってしまうのでは?と心配してしまいます。