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楽しい“テンロク+MT”をイタフラ車でよりおいしく(2ページ目)

個人的に、最近どうもMTに乗りたくて仕方なく、あれこれ探していたら……なるほど、あんなに楽しい“テンロク+MT”が、本場とも言うべきイタフラ車なら安く買えるじゃないですか。というわけで、今回は1.6Lのイタリア&フランスのMT車3台です。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

映画『グラン・ブルー』のチンクエチェントみたいに

最近ではあまりそうでもないようなことを聞きますが、一昔前、ヨーロッパではMTを好んで乗られている方がたくさんいらっしゃいました。勝手にギアチェンジしてくれるATは、ありがたい反面、特にテンロククラスですと非力さが顕著に出たりしますよね。その点、自分の気持ちのレベル(!?)までエンジンを回せるMTは「車はオレが動かしているんだ」感がグンと高まります。しかも3Lとかの大排気量ではないから、回したところで、さほどスピードが高いわけではないのも、安全で良いとも言えます。

アルファ147undefinedフロント

207GTiとは違い、将来色あせてボッコボコになっても、それがかえって味になりそうなアルファ147。でも左右独立式エアコンやアルミホイールが標準など、装備は結構充実。最高出力は120ops、最大トルク14.9kg-mのテンロクです

むしろ普段の道をガンガン回して、日常の足としてどんどん使い倒すのが、ヨーロッパ流のテンロク+MTなんじゃないかと、勝手に想像しています。例えば映画『グラン・ブルー』のエンツォが乗り回していたチンクエチェントなんて、まさにそんな感じ。ママのパスタを食べに帰るときも、ライバルのところへ向かうときも、MTをコキコキ動かして、いつも全力疾走(もちろんチンクは1.6Lのさらに半分以下ですけどね)。

今それを体感できる1台に、アルファ147の1.6+MTがあります。147の1.6LにはそもそもMTの設定しかありません。また2LにもMT車が用意されていて、アルファロメオはMT派にはうれしいメーカーなのですが、私のオススメはやはりテンロク。理由は上に書いたとおりです。また147はセレスピードと呼ばれる2ペダルMTがあり、中古車の流通量から見てもこちらのほうが多いのですが、同じMTでも2ペダルのセレスピードは、やはり変速時にギクシャク感が出てしまいます。

ルノーメガーヌundefinedフロント

かなりレアです。原稿執筆時点で1台しか見つかりませんでした。これも147同様VWゴルフクラスの実用ハッチバックですからね、ガンガン使っちゃいたいです。こちらはアルミではなくテッチン。最高出力は113ps、最大トルクは15.5kg-m

原稿執筆時点で147のテンロク&MTの中古車を見てみると、50万円以下から見つかります。ヨーロッパではすでに、日本でも間もなく147はジュリエッタに切り替わりますから、確かにこの程度の価格でしょう。また5万km超の中古車が多いのですが、ヨーロッパの人々のように、日常の足としてガンガン使い倒すという使い方であれば、セレスピードみたいな複雑な機構をもたないテンロク&MTのほうが安心できそうです。

大穴として、ルノーメガーヌ(旧型)の1.6L+MTも挙げておきましょう。ただでさえルノーは日本での販売に苦戦しているにも関わらず、AT大国の日本にMTを用意してくれたのですから、拍手ものです。とはいえ、先日発表されたばかりの現行型はCVT搭載車のみですけど…。アルファ147もメガーヌも、上にはGTAやルノースポールといったスポーツモデルのMTがありますが、今回紹介した2台はそれとは全然違った味わいのもの。車の性能を隅から隅まで味わい尽くす感じのテンロク+MTです。ほら、エンツォが3.2Lを積んだ147のGTAなんかでママのパスタを食べにいったら、なんか違和感ないですか?

このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。

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