本好きには電子ペーパー、欲張りな人には液晶タイプがお薦め
最初にチェックしておきたいのがディスプレイのタイプだ。先ほども紹介したように、電子書籍対応端末は大きく「電子ペーパー」搭載の電子書籍専用端末と、「液晶ディスプレイ」搭載の電子書籍専用端末や汎用タブレット端末に分かれる。まず電子ペーパーを搭載する電子書籍専用端末のメリット・デメリットを紹介しよう。
■電子ペーパータイプのメリット
・モノクロの電子インクが紙のインクに近くて視認性が高く、長時間の使用でも疲れにくい
・バックライトが不要なのでバッテリー駆動時間が長い
・日なたなど明るい環境下でも快適に読める
・暗い場所でも照明を当てれば紙の書籍と同じように読める
■電子ペーパータイプのデメリット
・カラー表示が難しい(現在各社が開発している状況)
・表示スピードが遅いので、動画表示などには向かない
続いて液晶タイプのメリット・デメリットはこちらだ。
■液晶タイプのメリット
・カラー表示や超高解像度表示が可能で、表現力が電子ペーパーに比べてはるかに高い
・表示速度が速いので、動画の表示などにも向く
・バックライトを当てて表示するため、暗い場所でも見やすい
・汎用タブレット端末の場合、さまざまなアプリをインストールして利用できる
■液晶タイプのデメリット
・バックライトを利用するためバッテリー駆動時間が短い
・日差しが強い場所などでは視認性が落ちる
・長時間使用すると目が疲れやすい
このように、それぞれにメリット、デメリットがある。一つ言えるのは、「電子書籍を紙の書籍と同じように読みたい」という人は電子ペーパータイプの方が読みやすいということだ。電子ペーパーと名付けられるだけあって、ぱっと見ると紙に印刷されているかのように思える。
ただし電子ペーパーは液晶に比べて表現力が乏しく、画像表示や動画再生などには向かない。このため、「電子書籍を読むだけでなく、さまざまな形で使いこなしたい」という人には液晶搭載の汎用タブレット端末がおすすめだ。
画面サイズとホールド感はトレードオフの関係
汎用タブレット端末で電子書籍を楽しむために重要になるのが、ディスプレイの「サイズ」と「解像度」だ。サイズが小さいと、読むためにいちいち拡大・縮小したりスクロールしなければならなくなる。解像度が低いと表現力が下がってしまうので、そちらも注意したい。誰にでもおすすめしやすいのが7インチ程度の大きさだ。女性にとって7インチサイズは大きすぎるかもしれないが、このくらいまでなら片手でも十分に持てるだろう。10インチサイズになると片手で持つのは難しいため、どうしても両手で持つスタイルに限定されてしまう。
解像度が高くても、あまり画面サイズが小さいと読めなくなってしまう。そのため電子書籍を日常的に楽しみたいのであれば、7インチ程度のモデルがもっともおすすめだ。
次のページでは、対応する電子書籍マーケットやフォーマットについて解説しよう。