ローマ/ローマの観光・美術館

コロッセオ/ローマ

古代ローマ帝国時代の威光を今に伝える巨大遺跡コロッセオ。当時の最新設備を備え、約5万人もの観客を収容することができた円形競技場では、さまざまな競技が行われていました。1000年の時を経てもなお、ローマ市民を熱狂が伝わってくるよう……。リアルな歴史の証拠のひとつです。

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

英語「コロシアム」の語源にもなったコロッセオ

sawa_colosseo1

巨大な円形競技場コロッセオの遺跡内部

古代ローマ帝国時代に建設された巨大な円形競技場コロッセオは、英語「コロシアム」の語源でもあり、世界的にも有名なローマの古代遺跡のひとつ。ローマ市内の古代歴史地区に、今もしっかりと現存しています。長い年月の中で多少の損傷を受けつつも、やはりそのスケールは圧倒的! 堅強で巨大な外壁を見上げるだけで、2000年もの時を越えもなお、古代ローマ帝国時代の繁栄がまざまざと伝わってくるようです。

創建は、西暦80年頃。ローマ皇帝ヴェスパシアヌスが計画・着工し、息子ティトス皇帝の時代に完成しました。外周527メートル、高さ46.5メートルもの巨大競技場ですが、製作期間はなんと8年。造った目的には、「市民を熱狂させ、政治から目をそらすためだった」などとも言われますが、その着想、製作期間、そして内部構造は、ダイナミックかつ驚異的です。

約5万人ものローマ市民が熱狂した残酷な競技

sawa_colosseo2

2000年前のレンガもしっかり残る

約5万人もの観客を動員できる客席から見降ろすことができる競技場の下には、競技者が行き来できる地下道、猛獣の檻、ローマ水道から水を出し入れする排水装置、そして人力エレベーターなどの最新設備が完備。船を使った競技から陸上競技まで、さまざまな演出を施した魅力的な競技が行われ、連日連夜、ローマ市民はここで歓声を上げていたのです。有名な猛獣VS人間、人間VS人間など、血なまぐさい死闘が繰り広げられたのも、ここコロッセオ。血まみれになった床の砂を素早く取り変えられるシステムがあったとも言われています。

 

建設当時、外壁は白い大理石で覆われ、数々の彫像が飾られていましたが、ローマ帝国の衰退後、中世時代には建築資材としてそのほとんどが運び出されてしまったため、現在見学できるのは、骨組みのみ。しかしながら、生で見上げれば、その「スケール感」を肌で感じることができるはずです。

「コロッセオが滅びるとき、ローマは滅び、そして世界も滅びるだろう」と謳われたほどの古代円形競技場コロッセオの遺跡。古代ローマ帝国は消えてなくなってしまいましたが、その繁栄を今に語り継ぐ貴重な遺跡のひとつなのです。ちなみに、映画「グラディエーター」では、CGを使い当時を再現した映像を観ることができますので、もし行く前にお時間があれば、鑑賞もオススメです。

<DATA>
■Colosseo(コロッセオ)
住所:Piazza del Colosseo
TEL:06-39967700
料金:12ユーロ(コロッセオ・パラティーノの丘共通/2日間有効)
開園時間:8:30~日没1時間前
休:1月1日、12月25日
アクセス:地下鉄B線コロッセオ駅Colosseoより徒歩1分
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます