プロは「保険料」で自動車保険を選ばない！

自動車保険、FPが重要と考える4つのポイント

今回は、保険選びのプロでもあるFPが顧客に自動車保険のアドバイスをする際、重要だと考える4つのポイントについてFP自身にヒアリングをし、順位をつけていただきました。自動車保険選びの着眼点でもあり、しっかり考えたいポイントです。
 

1. 基本補償の内容
2. どこで加入するか（代理店型かダイレクトか、どの代理店か保険会社か）
3. 商品内容に見合った保険料（ただ安い、高いという視点だけではない）
4. ロードサービスや付帯サービス

なお、このポイントの中に「事故時の対応」は盛り込んでいません。同じ保険会社でも担当者によって評価にばらつきがあり、すべての保険会社の事故対応を体験してみないと情報が得られないので、ベースとなるポイントからは除外しました（もちろん、何かあったときのための保険。真価を問われるのは、事故時や保険金支払い時であることは確か）。

また、アドバイスのポイントは顧客によって重要性や優先順位が異なるので、一概に重要度を計ることはできません。今回の質問では、その点を踏まえたうえで、FPの経験値や客観的な視点に基づきヒアリングを行っています。

■調査方針
本原稿は、FPの経験値、一般的に得られる情報から特定のユーザーを意識しない客観的な意見を収集しました。

■調査概要
調査会社：エフピーリサーチアンドコンテンツ株式会社
調査対象：自動車保険に詳しいFP12名
調査対象FP活動エリア：秋田、埼玉、神奈川、岐阜、奈良、京都、大阪、徳島、大分、熊本、鹿児島
調査内容：自動車保険に関する客観的な意見・感想各種
調査年月：2011年4月
 

やっぱり一番大切「基本補償の内容」

まず、相談現場で日々活躍するFP12名に聞いたアンケート結果からご紹介しましょう。自動車保険をアドバイスする際、重要なポイント1番目に最も多くあげられたのが「基本補償の内容」でした。保険である以上、まずは補償内容のアドバイスがトップにあげられるのは当然でしょう。 基本補償の内容は、対人賠償・対物賠償、人身傷害補償、車両保険などの保険金額や免責金額、それら支払い範囲など、実際事故が起こったときのパフォーマンスになります。保険に加入する以上、当然そのパフォーマンスを十分に理解する必要があり、FPとしてもまずこの部分に重点をおくことが通例となっています。

基本補償は自動車保険の性格上、各社そこまで差異がなく、かつ保険会社自身によるPRもなく、ネットや雑誌上で話題にあがらないため、意識が向かないところです。しかし、万が一の時の役割はこの基本補償部分が果たすので、支払い額や支払い条件などを十分理解し、自動車保険を選ぶ際の最重要項目と認識しておいてください。

＜基本補償関連記事＞
自動車保険の補償内容と補償額の決め方～基礎編～
 

2番目に大切な視点「商品内容に見合った保険料」

2番目に重要なポイントとして多くあげられたのが、「商品内容に見合った保険料」、つまり顧客のニーズに対して保険料が合理的かどうかということです。リスク細分型自動車保険では、免許の色、主な用途、走行距離、使用地域、運転する人などによって保険料に違いがあり、これらのリスクを保険料にどう反映させるかは保険会社によって異なります。また代理店型では代理店が介在するコストが保険料に反映されます。

例えば、走行距離の多い人ほど保険料が高くなる会社もあれば、走行距離が保険料に反映されない会社もあります。代理店型は代理店のサービスを受けられる分、保険料が高めです。つまり、顧客の属性や車の使い方、保険に求めるものによって最適な保険会社が異なるので、保険料の合理性も顧客によって異なるのは当然です。顧客はどうしても見た目の保険料に気を取られやすいため、FPはその顧客にとってその保険料が適切かどうかというアドバイスを重視しています。

注意してほしいのは比較サイト。比較サイトでは、顧客の属性や車の利用状況が特に反映されることなく、保険料やロードサービスの内容で比較されることがほとんどです。自分に合った自動車保険を選ぶには、それら情報のみで判断するのではなく、自分の車の使い方や保険に求めるものを整理したうえで費用対効果は適切かどうかを判断することが大切です。

＜保険料関連記事＞
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次ページでは、3番目、4番目に大切な視点を紹介します。