御嶽山では宿坊がおすすめ
御嶽神社の周辺には、古くから続いている宿坊がたくさんあります。昔の人々は、「講」と呼ばれる団体を組んでお寺や神社に出かけました。御嶽の宿坊は、その講の人々を泊めるための施設です。講によるお参りは、少なくなったものの今も続いていますが、現在の御嶽の宿坊は、講だけでなく、一般の旅行者でも気軽に泊まれます。御嶽は現在は神社なので、お寺の宿坊のような精進料理や坐禅などはありませんが、地元でとれた野菜や山菜、川魚、手づくりのこんにゃく(超美味!)、蕎麦などを使った素朴なお料理が楽しめます。また、お寺の宿坊で行われる「朝のお勤め」に相当する朝のお祓いや祝詞などを体験できる宿坊もあります。規則は厳しくなく、普通の宿と同じように、くつろいで過ごせるのも魅力です。
●独特の体験ができる宿坊
駒鳥山荘など一部の宿坊では、テレビでもおなじみの滝をかぶる修行が体験できます。朝早くから山道を歩いて滝まで行き、冷たい水で禊をすると、身も心も引き締まります。
駒鳥山荘のホームページ
チベットのお寺で使われる道具を使ったヒーリングを体験できる山楽荘もおすすめです。「シンギング・ボール」と呼ばれる金属製のボールのふちを木の棒でこすると、不思議な音が響きます。この音が体に伝わって共鳴し、心身ともにリラックスできるのです。
山楽荘のホームページ
しかし、御嶽の宿坊をおすすめするもっと大きな理由は、宿泊すると、朝日に照らされた美しい東京の風景を見られることです。都内に住む人なら御嶽山は日帰りできますが、それでもやっぱり一度は泊まって、自分が暮らす街を天空の上から眺めてほしいと思います。これはちょっと人生感が変わるような体験ですよ。
早朝に御嶽神社の本殿にお参りすれば、神主さんが東京に向かってお祓いをする様子も見られます。東京の街が、御嶽の神様に守られていることを実感する瞬間です。
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