倉俣史朗のインテリアクセサリー
さて次のコーナーへ。ここからはインテリアアクセサリー(小物)デザイン。
倉俣さんは、ショップデザイン、ファニチャーデザイン同様に化粧瓶や鞄、ハンガー、照明など身近な小物デザインも数多く制作している。
ソットサス、倉俣史朗、三宅一生の三人が取り組んだプロジェクトが香水の「ロードゥイッセイ」のボトル。
香水瓶をデザインしたいという倉俣さんの気持ちを知った三宅一生が早速デザインを依頼した。当時の技術では製造出来なかったが倉俣さん没後17年の2008年秋に完成した。
三段の引き出し家具がキュー!とコンパクトになってバックに変身した「コパカバーナ」。家具デザインからの発想でなければ生まれてこないハンドバック。
先端のアクリル部分が光る器。
ワイングラスやスプーンに光源を内蔵した照明器具。
記憶のかたち
倉俣さんは身近なモノに愛とユーモア精神を注ぎ続け、そしてデザインを楽しんでいる。構成材料を極限まで整理した皮膜のような美しい………別名「小クラマタ」と呼ばれる時計。
『 -遊び-(引用:未現像の風景、住まいの図書館出版局、p97-p99)
鶴見川の支流、川幅6、7メートルで蛇行しながら流れ,その両岸は篠竹と雑草で覆われている。深いところは1.5メートルくらいで流れもゆるく子供が泳ぐには安全な川であった。
水も澄んでいて、きれいで、ハヤやヤマベが棲み、たまには人糞が流れてくるとバナナと呼んでよけたぐらいであった。
…中略…
冬は、鳥を生け捕るのにベロリン方式を使う。雪をすこし分け藁を周りに敷き四角い木枠に金網を張った箱を使い、獲物は朝鮮キジを狙う。
…中略…
運動会の時はカラスウリを割って脛に塗るとサロメチールのようですーすーして足が軽くなる。自然の中には生活に必要な全てがあった。(倉俣史朗)』
もはや時計はただ時を示すのではなく、記憶の事象を記している。
さぁ、次の最終回は、あの名作「Miss Blanche」が登場します。
最終編【保存版】倉俣史朗とエットレ・ソットサス展(3/3)は、こちらから!
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■ 「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展
■会期 2011年2月 2日(水) ~2011年5月 8日(日) 11:00~20:00(ご入館は19:30まで)休館日:火曜(5/3は開館)
■会場 21_21 DESIGN SIGHT (地図)
■ 入場料 ¥1000-(一般)¥800-(大学生)¥500-(中・高生)
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