働き方が大きく変わるシングルマザー
働き始めてから後悔しないように事前準備をしっかりしよう
2007(平成19)年11月に厚生労働省より発表された「平成18年度全国母子世帯等調査結果報告」によると母子世帯になる前の母の就業状況では不就業、つまり働いていない人の割合が全体の約3割で就業している母が約7割となっています。しかし就業中と答えた人のうち約6割が、パートや派遣社員などの正社員やフルタイムではない形で働いている現実があります。
つまり、母子家庭になる前は専業主婦やパート勤めなどであった人がほとんどということ。また離婚によりシングルマザーとなった人に限って言うと、半数以上が離婚によって仕事を変えたと答えており、その理由として「収入がよくないため」が第1位となっています。
シングルマザーになるということは、今まで主婦で外で働いていなかった人や、働いていたけれどパートで収入が不安定だったという人が働き方を大きく変えることになります。フルタイムで働いている人も、子供のことや転居などの理由から転職を考えることになるかもしれません。
シングルマザーとしてこれから頑張っていこうと考える女性にとって、転職を成功するために転職活動の準備をしっかりしておくことは子供と自分を守るために非常に重要なことです。
では、シングルマザーとして転職活動を始める前に、まずはどんな準備をしておく必要があるか考えてみましょう。
シングルマザー転職への備え方
子供の急病の時はどうするか考えておこう
慌てて転職活動をし、働き始めてからこんなはずじゃなかったと後悔したり、転職を何度も繰り返すことにならないために、まずは次の5つを整理して、シングルマザーの転職活動へ備えましょう。
■住居はどこにする?
今まで住んでいた家にそのまま住めるのか、実家に戻るのか、それとも新たに子供との新居を用意するのか、これからどこに住むかによって勤務場所や勤務時間などが大きく変わってきます。
仕事を見つけてから住居を決めようという選択もありますが、住居がはっきりしていないと会社側も雇用することが不安になり、採用してもらえない可能性もあります。まずはこれからどこに住むのか、引っ越しするのであれば子供の学校や環境、希望する仕事がある地域なのか、慎重に考えて選択しなくてはなりません。
■子供の預け先はどうする?
子供の年齢によっては、保育園や学童保育に預けたり親戚にお願いするなど、あなたが働いている時間の子供の居場所を確保する必要があります。夏休みや冬休みなどの長期休暇の時、子供が体調を崩して学校を休む時はどうするかなど、子供の預け先やいざというときのケアも考えておきましょう。
子供が笑顔でいられることが、シングルマザーの仕事への原動力になります。子供を安心して預けられる場所をよく考えて選んでおくことは、仕事に専念できるための大切なポイント。面接でも子供が病気の時のバックアップはあるかなどと質問されることもあります。いざというときの子供のケアをしっかりと考えておきましょう。
■収入はどのくらい必要?
これから子供と生活をしていくのにどれだけの収入が必要かシュミレーションしてみましょう。また、養育費など別収入がある人も、万が一、別収入がとだえた場合に必要な収入や削れる支出も計算しておきましょう。子供にかかる教育費は成長するにつれ増えていくので、できるなら貯蓄もしておきたいですね。今だけでなくこれからの生活のことも考えてシュミレーションしてみると、自分がどれだけの年収が必要か分かります。
シングルマザーの生活の悩みの第1位は家計です。転職を繰り返さないで安定して生活するためにも、まずは今とこれからの家計の収支をしっかり整理・分析することが、シングルマザーの転職が成功するためのカギになります。
■相談相手はいる?
今までは夫と相談してきたことも、これからは1人で考えなくてはならなくなります。そんな時に相談できる人を見つけておくのも大切です。
転職活動をする場合には専門家に相談することも方法の1つ。マザーズハローワークなど女性の就職・再就職を支援する国の機関や、住んでいる自治体によってはシングルマザー向けの相談機関があるところも。自分だけで転職活動をするより専門家に相談しながら転職活動をするほうが賢明です。自分の住んでいる地域やこれから住む予定の地域にシングルマザー向けの相談窓口があるかを確認しましょう。
シングルマザー向けの相談窓口がある主な団体は、下記のとおりです。
(財)全国母子寡婦福祉団体協議会
ひとり親Tokyo(東京都母子寡婦福祉協議会)
NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
■心と体のメンテナンスできてる?
シングルマザーになると、今までとは生活が大きく変わります。仕事も家事もやることが増え、子供のケアもしなくてはいけないと気も張ってしまう人も多いでしょう。でも、あなたが倒れてしまうわけにはいかないのです。
自分のことは後回しにして頑張りすぎて、もうダメだと倒れてしまう前に、きちんと心と体のメンテナンスをすることも忘れないでください。お母さんが元気で笑っていることが子供にとって一番安心できること。シングルマザーとして子供とイキイキと生活を楽しむために、あなた自身の健康にもしっかり気を配ってくださいね。