オーディオプレーヤー/ICレコーダー、ラジオレコーダーの選び方

ICレコーダーの選び方とおすすめモデル(3ページ目)

会議の議事録作成や、語学学習、楽器練習の記録、トラブル時の証拠として使うなど、ICレコーダーはさまざまな用途に用いられている。メモリーの大容量化によって高音質・長時間録音も可能になり、ここ数年で大きな進化を遂げたと言える。そこでICレコーダーの選び方とおすすめ機種を紹介していこう。

安蔵 靖志

執筆者:安蔵 靖志

デジタル・家電ガイド

コストパフォーマンスの高いリニアPCM対応高音質機

音質や機能性だけでなく、デザインや本体サイズ、コストパフォーマンスなどの面で最もバランスが良いのが、リニアPCM対応の高音質スタンダードモデルだ。後述するフラッグシップ機ほど音質を追求したモデルではないが、必要に応じて非圧縮のリニアPCM記録ができる。ICレコーダーとしての持ち運びやすさや使い勝手を犠牲にすることなく、高音質も兼ね備えているのが魅力だ。

■オリンパス「Voice-Trek V-823
ローノイズ指向性マイク2個を、90度外側に向けて配置することで、臨場感の高いステレオ録音を可能にしたビジネス向けモデル。CD音質のリニアPCM録音も可能だ。8GBメモリーを内蔵し、microSDカードスロットも搭載。USBダイレクト接続に対応するのも魅力となっている。

 

■パナソニック「RR-XS355
前方正面の狙った方向の音を強調するとともに、エアコンなどの周期的な雑音を低減して録音できる「クリアズーム録音」を搭載。英会話などの語学学習に役立つ「かんたんシャドーイング再生」機能も備えている。USBダイレクト接続できるのも魅力だ。

■ソニー「ICD-TX650
厚さ約7.4mm、重さ約29gのコンパクトなボディーを実現したスティック型のICレコーダー。ジャケットの胸ポケットやバッグ、手帳などに固定できるクリップが付いている。microSDカードスロットは非搭載だが、16GBメモリーを内蔵しているので、CD音質のリニアPCM録音でも約24時間以上の長時間録音ができる。

 

音楽の「ハイレゾ録音」も可能なリニアPCM対応モデル

音質面で絶対に妥協したくない!という人にお薦めなのがリニアPCM対応のフラッグシップ機だ。同じリニアPCM対応と言っても、角度可変のX-Y型マイク、音場をしっかりと再現できる3マイク搭載など、フラッグシップ機はマイクにもこだわりを見せる。聞き比べると確かな違いがあることが分かるだろう。

価格的には高めで、リニアPCM対応スタンダードモデルに比べると大きくて重いモデルが多い。だが「違いの分かるビジネスパーソン」を演出するという意味でも、フラッグシップ機はやはりお薦めだ。

■ソニー「ICD-SX1000
本体のセンターと両サイドに合計3つの高性能指向性マイクを搭載。2つのAD(アナログ・デジタル)コンバーターを利用することで、小さな音から大きな音まで記録できる幅広いダイナミックレンジと低ノイズ性能を実現した。最高96kHz/24bitのハイレゾ録音も可能。コンパクトながらなかなかの実力派だ。

 

■TASCAM「DR-05 VERSION2
楽器演奏やバンド演奏の録音、フィールドでの録音、会議録音など、幅広い用途で高音質な録音(最高96kHz/24bitのハイレゾ録音に対応)が可能なリニアPCMレコーダー。前方の狙った音だけでなく周囲の音を全方位的に集音できるステレオコンデンサーマイクを搭載している。耐音圧125dB SPL(一般的な映画館の最大音圧の約10倍)の耐高音圧設計を採用しているので、大音量のバンドも安心して録音できる。


■ZOOM「Handy Recorder H1 Version 2.0 XYステレオ方式のコンデンサマイクを搭載し、96kHz/24bitのハイレゾ録音が可能なリニアPCMレコーダー。指向性マイクを搭載しているため、マイク後方の不要な雑音を拾わずに対象の音だけを録音できる。パソコンに直接録音できるUSBマイク機能を搭載しているのもユニークな点だ。



Wi-Fi対応! スマートフォンで操作できる高性能モデル

最近のトレンドとして、スマートフォンやタブレットと連携するWi-Fi対応のICレコーダーにも注目したい。Wi-Fi対応モデルなら、離れた場所に置いてもスマートフォンから操作できるので、最適な録音場所に設置して録音することができる。

■オリンパス「DS-902
Wi-Fi経由でスマートフォンやタブレットとの連携が可能な「スマートフォン・リンク」機能を搭載するICレコーダー。レコーダー本体の中に設定用のQRコードが準備されており、スマホアプリからQRコードを読み込むだけで簡単に接続できる。CD音質のリニアPCM録音も可能だ。

 

■TASCAM「DR-22WL
X-Y方式のステレオマイクを搭載する96kHz/24bitのハイレゾ録音対応のリニアPCMレコーダー。Wi-Fiに対応しており、無料の専用アプリを利用することで遠隔操作や遠隔モニタリングが可能だ。専用アプリは音楽ファイル共有サービス「SoundCloud」と連携しているので、録音後すぐにスマートフォン経由でアップロードすることができる。

 

安さを追求する人にお薦めのお買い得モデル

最後に、価格感度の高い人向けにコストパフォーマンスの高いモデルを紹介しよう。

■オリンパス「Voice-Trek VN-722PC
人の声の録音に特化したエントリーモデル。大画面液晶に大きな文字、ボディー前面に配置された大型の操作ボタンなど、使いやすさを徹底的に追求したモデルだ。4GBメモリーを内蔵し、microSDカードスロットも搭載。全方向の音を集音する大口径の低ノイズ全指向性モノラルマイクを搭載している。

 

■ソニー「ICD-PX440
単4形アルカリ乾電池2本で約96時間の連続録音が可能なスタミナが魅力のモデル。全指向性の高感度・低ノイズステレオマイクを搭載。USBダイレクト接続が可能で、microSD/メモリースティックマイクロ対応のメモリーカードスロットも搭載するなど、必要な仕様を十分に備えたモデルだ。

 

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