中古車/おすすめの中古車

エクストレイルはクリーンディーゼルがお買い得!

エコなのがもはや当たり前。ですから本来はこのディーゼルターボはもっと高くてもおかしくはないんですが、みなさんハイブリッドカーに目がいきがちだからでしょうか、クリーンディーゼルモデルがやけに安いんです。ただし台数は少ないですから、早い者勝ち?

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

6MTということが、おいしい理由か?

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回は日産エクストレイル(現行)、中でもクリーンディーゼルを搭載した20GTを取り上げたいと思います。世界的に見ても厳しい、日本のディーゼル排出ガス規制「ポスト新長期」を初めてクリアしたディーゼル車であり、エコカー減税の対象車でもあります。そんなエコカーが、実は今おいしいのです。原稿執筆時点で最安値は2008年式の139.8万円。新車時価格は299万9850円ですから、ざっと160万円近くも安くなっています。

エクストレイル フロント

欧州のエクストレイルをベースに開発されたので、グリルが欧州仕様のまま。またディーゼル車の印象が悪い日本ですから、ディーゼルエンジン特有のガラガラというような音の遮音に対して、フロントガラスを変えるなどの徹底した対策が施されています

個別の中古車を見ていく前に、まずはエクストレイル20GTについて振り返りましょう。現行のエクストレイルが登場したのは2007年8月。20GTが追加されたのは2008年9月のことでした。ちなみに先述したポスト新長期規制が施行されたのは2009年10月。それより約1年早く投入されたことになります。搭載されたエンジンはルノーと共同開発した2Lクリーンディーゼルターボ。これに6MTが組み合わされました。その後2010年7月のマイナーチェンジを機に、6ATモデルも追加されました。

おそらく、当初は6MTのみしかなかったことが現在中古車をおいしくしている大きな理由だと思います。何しろ日本では、AT車の販売比率が90%以上と言われていますからね。三菱のランエボや日産GT-Rですら、中身はMTだけどATのように扱えるなど、今やスポーツカーであってもクラッチペダルの無いモデルが主流になりつつあるのですから。

エクストレイル  インパネ

ポップアップステアリング機構こそありませんが、2WDと4WDの切り替えがラクラクな4×4-iはもちろん備わりますし、逆に他グレードは4スピーカーのところ6スピーカーだったり、フォグランプ、ヒルディセントコントロールが標準装備されています

さらに、運転席に座ったままでもスキーウェアなどに着替えやすいという、同車の特徴の一つであるポップアップステアリング機構が、ありません。また防水加工されたシートや天井も省かれています。タフギアというエクストレイルのアウトドア性よりも、GT=グランドツーリングを主張したモデルとメーカーは位置づけているのですが、この辺が(6MTということもあり)あまり上手く伝わらなかったようです。

しかし私のように「MTでも全然構わないよ」という人には、まさにおいしくてたまらない一台。ちなみに、同車の2.5Lガソリン車(CVT)と、この20GTの0-100km/L加速を比べてみると、2.5Lガソリン車が10.0秒なのに対して、20GTは9.5秒。排気量が小さくても、実は速い。こいうところも、MT車に乗る人なら、ニンマリとするころではないでしょうか。

さて、お待たせした中古車価格です。先の139.8万円車は、修復歴はないものの走行距離が11.2万kmとちょっといっています。とはいえ、タフなディーゼルエンジンですし、わずか3年でこの距離です。「でも……」という方、2008年式/3.8万kmで189.9万円や、2008年式/3万kmで195.9万円、2009年式/1.5万kmで199.8万円……という中古車もあありますよ(いずれも原稿執筆時点)。200万円で買ったとしても、100万円落ちです。エコカーで、10・15モード燃費が15.2km/LのSUVがですよ。しかもガソリンより安い、軽油です。ランニングコストを考えても、かなりおいしいと思いませんか。

もちろん、中古車価格が安くてランニングコストも低いというだけが、20GTの魅力ではありません。次ページで20GTをさらに見ていきましょう。
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