ベルギーが誇るアートを鑑賞
ピーテル・ブリューゲル作『べツレヘムの戸籍調査』
正統派の絵画から、アールヌーヴォー建築、タンタンでおなじみのフランス語圏の漫画であるバンド・デシネにいたるまで、アートもベルギー観光を語る上で絶対にはずせない要素です。
絵画
『ファン・デル・パールの聖母』を鑑賞
歴史的に文化の交流地点でもあったベルギーは、芸術史的に大変重要な作品を数多く所蔵しています。特に油絵技法の完成者ファン・エイク(アイク)、ブルージュで活躍したハンス・メムリンクといったネーデルランド絵画の巨匠、バロック絵画最大の巨人ピーテル・パウル・ルーベンスらの作品を目的に、世界中から多くの観光客が足を運んでいます。『キリストの降架』らルーベンス作品を4枚が鑑賞できるアントワープの聖母大聖堂、ファン・エイク兄弟による祭壇画『神秘の子羊』があるゲントの聖バーフ大聖堂など、重要作品が歴史的建造物の中でで見られる場合も多いですので、建築物もいっしょにゆっくりお楽しみください。
絵画もより近代にくだれば、幻想的なマグリットやポール・デルヴォーなどの絵画で名高いベルギー・シュルレアリスムの作品にもファンが多いもの。ブリュッセルの王立美術館の別館として開館したマグリット美術館は、画家の作品200展を一気に鑑賞できます。
芸術愛好家が特に支持するベルギー国内の傑作
- 『ファン・デル・パールの聖母』ヤン・ファン・エイク(グルーニング美術館 /ブルージュ)
- 『神秘の子羊』ファン・エイク兄弟(聖バーフ大聖堂/ゲント)
- 『聖ウルスラの聖遺物箱』ハンス・メムリンク(メムリンク美術館/ブルージュ)
- 『十字架を運ぶキリスト』ヒエロニスム・ボス(ゲント美術館/ゲント)
- 『聖母子像』ジャン・フーケ(王立美術館/アントワープ)
- 『ベツレヘムの戸籍調査』ピーテル・ブリューゲル(王立美術館/ブリュッセル)
- 『キリストの降架』ピーテル・パウル・ルーベンス(聖母大聖堂/アントワープ)
- 『ひときれの燻製ニシンを奪い合う骸骨たち』ジェイムズ・アンソール(王立美術館/ブリュッセル)
- 『神秘のスフィンクス』シャルル・ヴァン・デル・スタッペン(王立美術・歴史博物館/ブリュッセル)
- 『スピッツナー博物館』ポール・デルヴォー(王立美術館/ブリュッセル)
- 『光の帝国』ルネ・マグリット(マグリット美術館/ブリュッセル)
アールヌーヴォー
ベルギーはアールヌーヴォー建築の町
アントワープ郊外ズーレンボルグ・ベルヘム地区
ベルギーはアールヌーヴォー建築の宝庫。なかでも首都ブリュッセルは、世界でもウィーン、ナンシー、バルセロナと並ぶ、素晴らしいアールヌーヴォー建築に恵まれた都市。ブリュッセルと近郊を散策するだけで、優美な曲線が目をひく美しいアールヌーヴォー建築にたくさん出会えることでしょう。「アールヌーヴォー建築の父」と呼ばれるヴィクトール・オルタを筆頭に、ポール・アンカール、ポール・コーシーが手がけた建築群が並びます。特に世界遺産にも指定される巨匠の邸宅兼アトリエ「オルタ邸」は、調度品や家具もそのままの壮麗な内部の見学もできるので、興味がある人は絶対に見逃せません。またアントワープ郊外にあるズーレンボルグ・ベルヘム地区もアールヌーヴォー建築の美を競う住宅が密集し、エリアごと丸ごと屋外博物館の趣きとなっています。
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アールヌーヴォー街/アントワープ
バンド・デシネ
バンド・デシネのスター、タンタン
フランス語圏の漫画であるバンド・デシネの最大のスターといえば日本でもおなじみの「タンタン」や「スマーフ」。“第九芸術”とも見なされるバンド・デシネですが、漫画好きであれば巨匠オルタによるアールヌーヴォー建築も美しいブリュッセルの「ベルギー漫画センター」にお立ち寄りください。また09年にはタンタンの作者エルジェの個人美術館「
エルジェ・ミュージアム」もオープン。ブリュッセルから南東30キロの町ルーヴァン・ラ・ヌーヴにあります。