建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

都市に「棲む」ための3戸のコンクリート長屋[kap]

オーナー住戸を含む3戸のみのアパートが東京の下町に完成しました。コンクリート造の3階建ての真ん中にメゾネット、左右がトリプレックスというユニークな構成の賃貸集合住宅です。

執筆者:川畑 博哉

この家の建て主は共に30代のご夫婦。ご主人は大手建設会社のインテリア部門で働き、奥様も家具の勉強をされた大の建築好き。建築家の駒田剛司、駒田由香夫妻が2000年に設計した「西葛西アパートメント」を以前雑誌でご覧になって、興味を持っていました。そこで3年前の秋頃に、今まで住んでいた既存家屋の賃貸アパートへ建て替えるにあたり、「賃貸住戸を3~4戸作り、その中の一つに自分たちも住む。オーナー住戸の仕様は賃貸と同様にする。長く魅力を保てるようなデザインの集合住宅を」などの要望を持って駒田夫妻に相談したのです。

白壁に10の窓と3つのバルコニー


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外観
1. 正面を見上げる。
2. 駐車場の奥に各戸の入口が並んだ1階。 右はシンボルツリーのシマトネリコ。
3. 2階にメゾネットの大きなバルコニー、3階にトリプレックスの小さなバルコニーが張り出している。


最寄りの総武線の駅からマンションやアパートが隙間なく並ぶ通りを歩いて5分。住宅密集地の路地の奥に、ひときわ目を引く建物が建っています。路地から3mほどセットバックした駐車場の背後に、3階の高さまで立ち上がった真っ白な壁には、大小様々の10枚の四角い窓がランダムに配され、箱のようなバルコニーが3つ張り出しています。住戸は3戸で、真ん中に間口3.8mのメゾネット(2階)1戸、左右にトリプレックス(3階)2戸を門構えのように配した構成になっています。建て主のご夫婦は東側のトリプレックスに住むことを希望されました。

◆建築家プロフィールと建築データ


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