日常的に、立ち居振る舞いが少々大げさな人は少なからずいますが、もしも、そうしないと心が安定しないようになっていたら、演技性パーソナリティ障害には要注意!
あたかも役者を演じているような大げさな立ち居振る舞いをして、他人の注目を浴びないと落ち着かない場合や、なおかつ、対人関係上、相手に誤解を受けることが多くトラブルが生じやすくなっているような場合、演技性パーソナリティ障害を発症している可能性があります。
今回は演技性パーソナリティ障害の特徴、症状、治療法について、詳しく解説します。
演技性パーソナリティ障害の特徴・原因
演技性パーソナリティ障害の特徴は、外見的には、あたかも役者を演じているような、派手な立ち居振る舞い。内面的には、他人の注目の的になりたいという強い欲求があります。演技性パーソナリティ障害の頻度は、人口の2~3%で、女性に多いです。演技性パーソナリティ障害の原因自体は不明です。演技性パーソナリティ障害の症状
演技性パーソナリティ障害では以下のような症状が、通常20代までに、顕著になります。- 自分が場の中心になっていないと、不快になりやすい
- 対人状況で、自分の肉体的、性的魅力を強調しやすい。また、自分の好感度を過大評価しやすい
- 感情の表出は大げさだが、表面的で、移ろいやすい
- 話し方は、その場で役を演じているように見えるほど、印象的だが、話の内容自体は乏しい。また、自分の演ずる役自体は確固としたものではなく、よそからの影響を受けやすい
演技性パーソナリティ障害の治療法
演技性パーソナリティ障害では、周りの人の目には、あたかも役者を演じているように見えるほど、派手な言動が目立ちます。しかし本人は、自分の心の中の何がそうした言動に駆り立てているのか、分かっていないことが多いものです。心理療法によって、自分の本当の気持ちをはっきりさせる事が、症状を軽減させる上での重要なポイントです。薬物療法が必要か否かは個人個人の病状によります。もしも、気分の落ち込みが目立つ場合は、抗うつ薬。強い不安感に対しては抗不安薬。また、現実感が低下していて地に足がつかなくなっているような場合には、抗精神病薬……など、状況に応じて、治療薬が選択されます。
演技性パーソナリティー障害の経過は、年齢を経るにつれ軽くなることが多いです。若い時分に旺盛だったエネルギーが、徐々に抜けていき、人目をひく行動が減っていく傾向があります。しかし、刺激的な日常を好む気質自体には変わりがなく、アルコール依存、性的交友上のトラブルなどが生じやすいという傾向も見られます。こうしたトラブルを避けるためにも、もしも、地に足が付かないような演技的なライフスタイルになってしまったのに、どうしてそうなってしまったのか分からない場合や、それによって心の苦しみが増しているような場合は、ぜひ、精神科受診を考慮してみてください。