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銀座ヨシノヤのパターンオーダー受注会 2011春

いつもは秋の会をご案内する銀座ヨシノヤのハンドソーン紳士靴パターンオーダー受注会ですが、この3月12日(土)から始まる春の会を今回はご紹介致します。どうしてって? 10年ちょっと前までは一流品の代名詞だったのに、今や伝説の存在となってしまった2社のタンナーの革で、足数は超限定ながらオーダーを受け付けてくれるからです!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

手の込んだハンドソーン・ウェルテッド製法から生まれる快適な履き心地を、今時ありそうでなかなか見つからない普遍的なデザインの中から選べる点で好評を博している、銀座ヨシノヤの紳士靴ハンドソーンパターンオーダー受注会。いつもは秋の会をお知らせしていますが、この記事では間もなく開催される「春の受注会」をご紹介致します。どうしてかと言うと、これもありそうでなかった「ある選択肢」が今回は充実しているからで、ズバリ、活用範囲の広い黒とミディアムブラウンのスムースレザーの選択肢が非常に広いのです。

あのボックスカーフも選べます!

パターンオーダー例。内羽根式パンチドキャップトウ

銀座ヨシノヤの紳士靴ハンドソーンパターンオーダー受注会で選べるデザインの一例です。黒のスムースレザー、と言えば外してはいけないのがこの種のパンチドキャップトウ。普遍的なスタイルながら、革の違いで表情が意外と変化する靴でもあります。このスタイルは税込み12万6000円~

まずは黒。こちらの目玉は何と言っても、1世紀半の歴史がありながら2002年に惜しくも廃業したドイツのカール・フロイデンベルク(Carl Freudenberg)社のボックスカーフが、受注可能な点でしょう。発色・柔軟性・キメの細かさそれに耐久性が高次元にバランスしたこの革は、1990年代まではブラックボックスカーフの代名詞かつ頂点的存在でしたが、もはや新品の靴で手に入れるのは非常に難しくなった伝説の革。この度当時のデッドストックレザーを限定5足分のみ確保できたので、以前からご存じの方は勿論近年靴好きになられた方も、あの腰の据わった質感を是非一度ご堪能いただければと思います。

一方、その軽さと冴えた発色でここ数年存在感が一気に増して来たイタリアのイルチア(Ilcea)社のオグザニルカーフの黒も、今回の受注会から選択可能になりました。履き心地をより軽快に仕上げたいとお考えの方なら、選ぶべきは間違いなくこの革でしょう。堅実な品質で人気が底堅いフランスのアノネイ(Annonay)社の黒も、張りのあるボックスカーフと透明感溢れるボカルーカーフの双方から、従来通り選択が可能です。

黒革バリエーション

画面向かって左から、今回限定5足のみのカール・フロイデンベルクのボックスカーフ、アノネイのボックスカーフ、同じくアノネイのボカルーカーフ、今回初登場のイルチアのオグザニルカーフ、そして新喜皮革のコードバンです。今回の受注会は黒スムースレザー系だけでも、これだけ選べます!

一見没個性的と思われがちな黒のスムースレザーで、これだけ性格の異なる革を一堂に揃えてくれるのは、靴好きとしては非常に嬉しい! さらには日本が誇る新喜皮革の黒コードバンまで含めれば、「このモデルが欲しいから、それと相性の良さそうなこの革で……」などと、発注時の創造力も一層掻き立てられるはずです。いや、もしお金に余裕があるのなら、全く同じモデルの全く同じ色と仕様で、革の銘柄だけ変えて2足一気に注文し、その微妙な違いを楽しむなんて言う贅沢も大いにアリですよ!


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