コインを投げて願いを叶える? トレビの泉
「後ろ向きにコインを投げ入れると、ローマに再び戻れる」という言い伝えがあまりにも有名なトレビの泉。ローマに行ったら訪れたい基本観光スポットのひとつです。「泉」と名前がついていますが、これは噴水。ローマには、大理石で装飾された豪華な噴水がいくつもありますが、トレビの泉はローマ最大の大きさを誇ります。旧市街に突如現れれる巨大噴水
トレビの泉は、スペイン広場やパンテオンに近い旧市街の中心エリアにあり、石畳の細い路地を歩いていけば……聞こえてくる水音。爽やかな水音を頼りに近づけば、路地の先に唐突に現れる巨大な噴水! 「こんな街中にこんな巨大なものが」と驚かされます。広場に建つ「ポーリ宮殿」の壁面を利用した巨大な噴水は、中央に海馬とトリトンを従えた「海の王様ネプチューン」、両サイドには「豊穣の女神ケレス」と「健康の神サルース」。荘厳な大理石の装飾が施され、広場にゴージャスな雰囲気を与えています。
起源は古代ローマ時代、18世紀のバロック彫刻で華やかに
トレビの泉の起源は、古代ローマ時代に遡り、ローマ皇帝アウグゥストの命によって造られました。現在見られる噴水は、ローマ時代に造られた噴水を改修し、華やかな彫刻で装飾するのが流行した18世紀に製作されたもの。公募で選ばれた若き建築家、ニコラ・サルヴィによるデザインで、1762年に完成しました。トレビの泉のおまじないは3種類
トレビの泉の前は、いつも観光客で賑わっており、「言い伝えのおまじない」を実践するために、何重にも人の輪ができています。噴水を前に後ろ向きに立ち、背中越しにコインを投げ入れると願いが叶うと言われる言い伝え。実は、投げるコインの枚数によって願い事が変わります。1枚投げれば、再びローマに戻れる。2枚投げれば、大切な人と一生一緒にいられる。または好きな人と一緒になれる。そして3枚投げると恋人や結婚相手と別れられる(?!)そうです。また、トレビの泉は名画「ローマの休日」にも登場します。アン王女が王宮を抜けだし、髪をショートカットにするシーン。あの床屋さんは、このトレビの泉の広場にあるという設定ですが、実際には存在しませんので探さないように!
トレビの泉がある広場は、思いのほか小さく狭いのも面白いところ。小さな広場だけに、より噴水の大きさが迫るように感じられ、迫力満点なのです。小さな広場を飾る大理石の巨大噴水……何百年の時を超え、現在も水音をローマの旧市街に響かせています。
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■Fontana di Trevi(トレビの泉)
住所:Fontana di Trevi
アクセス:地下鉄A線スパーニャ「Spagna」駅下車徒歩10分