絵本/おすすめロングセラー絵本

けんかばかりの子におすすめ絵本

子どもたちにとって友だちとの関係はとても大切なもの。けれど、仲良しの友だちだからこそ、けんかになることもありますね。そんな時にぜひ手にしていただきたい絵本をご紹介します。友だち同士の関係をユーモラスに描き、子どもたちに愛され続けているロングセラー絵本『きみなんかだいきらいさ』です。

執筆者:大橋 悦子

人と人のつながりにはいろいろな関係がありますが、その中でも、特に温かくてワクワクする関係が「友だち」ですね。友だちと一緒にいる時の楽しい気持ちや、友だちが増えるとともに広がる世界は、幼い子どもたちに実感して欲しい大切な事柄の1つです。

今回ご紹介する作品は、そんな友だち同士の関係をユーモラスに描き、子どもたちに愛され続けているアメリカのロングセラー絵本です。
 

けんかをしている子どもの心を描く 『きみなんか だいきらいさ』

きみなんかundefinedだいきらいさ

   子どもたちの友情をあたたかくユーモラスに描いたアメリカの小型絵本


どんなに仲良しの友だち同士でも、けんかをしてしまうことがあります。そんな時、素直に「ごめんなさい」を言うのは、大人ばかりでなく子どもたちにとっても、なかなか勇気がいりますね。この本の主人公は、けんか中の友だちに「ごめんね」と言わずに思いがけない方法で仲直りをします。

主人公のぼくと友だちのジェームスは、とても仲良しです。仲良し過ぎて(?)一緒にみずぼうそうにかかるほど! ところが、そんな二人がけんかをしてしまいました。考えれば考えるほど、頭に浮かぶのは相手の悪いところばかりで、ついにはお互いに絶交を宣言してしまいますが……

このけんか別れとなる寸前に、主人公がとった行動から、2人の世界が一瞬のうちに変化します。「ぼくは悪くない。きみなんかだいきらいさ。けれど、やっぱりきみと遊びたい!」主人公が、自分の正直な気持ちに気付いた瞬間、彼らが今の今まで感じていた「けんかのやるせなさ」が、あっという間に「仲良しがいる幸せ」に姿を変えるのです。このドラマチックな変化が実に見事で、この作品が小さな読者の心を捉えて離さない大きな要因のひとつとなっています。

かいじゅうたちのいるところ

   モーリス・センダックの代表作

仲良しの友だちとけんかをしたぼくは、相手への想いに心が揺れ動き、「ごめんね」という単純なひと言では決着がつかなかったのかもしれません。そんな複雑な「ぼく」の心の変化を巧みに描いたのは、「かいじゅうたちのいるところ」で有名なモーリス・センダックです。くるくる変わる男の子の表情と、心の揺れに呼応するかのようなお天気の変化にもご注目。手のひらサイズの絵本にこめられた、とっておきの友情物語をどうぞお楽しみ下さい。

【書籍DATA】
ジャニス・メイ・ユードリー:文 モーリス・センダック:絵 こだまともこ:訳
参考価格:630円
出版社:冨山房
推奨年齢:3歳くらいから

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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