ライバルと比べてどうか
サードシートへの乗降の良さも魅力だ。座面が前に少し跳ね上がるようなセカンドシートのウォークイン機構は、他車にはないオリジナリティを感じる。サードシートは見た目は狭いが、座ってしまえば大人でも実用になる
逆に、国産ミニバンに物足りなさを感じている人は、硬質な走りや本物感漂うインテリアに惹かれるはずだ。もちろんケタは違うだろうが、十分に勝負できる才能の持ち主であることは間違いない。
均等に分けられた2列目をどう考えるか?
セカンド、サードシート両方ともフラットに格納できる。サードシートの格納方法も工夫が感じられるが、戻す際は車内側に戻るしかない。荷室側から全自動で格納できたり、片手で簡単に跳ね上げできたりする日本勢ミニバンと比べると、ツメの甘さを感じさせるシーンも散見される
走りや使い勝手など、シャランが日本勢ミニバンに圧倒的、決定的な差を築いている点は正直感じられなかったが、クルマの基本性能やマジメな設計や安全装備の充実具合はヒシヒシと伝わってくる。こうした点を「買う」ことができる審美眼の持ち主ならシャランを選ぶだろう。しかし、国産ミニバンのガラパゴス化も悪くない。とくに、使い勝手においては一日の長があるのを感じた。