一部の自治体では「デートDV」専門相談窓口も設置
交際相手からの暴力「デートDV」とは?
DVと同様、身体的な暴力はもとより、行動や友人とのつきあいを制限したり監視したり、気に入らないことがあると物を壊したり脅したり、無視し続ける、大声で怒鳴る、無理にお金を払わせたり、バイトしたお金を取り上げるなどの精神的な暴力も含まれます。また、嫌がるのに性的な行為を強要したり、避妊に協力しない、中絶を強要するなどの性的な暴力も含まれます。
こうしたいわゆる「デートDV」に関しても、全国の女性センターや男女共同参画センターなどで相談することができますし、被害防止のためのセミナーが開催されていることもあります。ぜひ最寄りのセンターに問い合わせてみてください。
特に先進的な取り組みをしている神奈川県では、NPO法人「エンパワメントかながわ」と協働し、全国に先駆けて今年(2011年)1月より「デートDV 110番」という専門相談窓口を設置し、予防と啓発に力を入れています。(050-3540-4477 毎週土曜日 14時~20時)
デートDVについて分かりやすく総合的に理解するには、同NPO法人と横浜市が協働運営する「それってデートDVなんじゃない?」のサイトが参考になります。
「DV」や「デートDV」を防ぐための3つのポイント
DV被害をエスカレートさせないために必要なこと
1. 被害時の思いをしっかり伝える
被害を受けたときには、「ひどい」「痛くて怖い」「そんなことしてほしくない」など、そのときの思いをきちんと相手に伝えることです。体や心を傷つけられることによる強い感情が浮かぶはずです。それを伝えずに被害に耐えていると、相手は自制できず、行動がエスカレートしてしまうことがあります。正直な思いを伝えることは、自分自身の尊厳と人権を守る第一歩です。
2. 「それは暴力だ」と相手に気づかせる
加害者は、特に精神への暴力や性的な暴力が、「暴力」の範疇になると知らないことが多いのです。「それは暴力だよ! DV(デートDV)に当たる人権侵害なんだよ」としっかり伝えましょう。
また、身体的な暴力に関しても、「裁判所からの保護命令の対象にもなる深刻なDVである」ということを伝えて、加害者に自らの行動の重さを認識させることが大切です。
3. 離れる・相談する・つながる
それでもやめない場合や、一度やめても繰り返す場合には、「離れる」ことを検討することも大事です。その際には、自分だけで行動を決めず、まずこの問題を専門的に取り扱う窓口に「相談」してみるといいでしょう。
冒頭で紹介した「パープルダイヤル」、地域の配偶者暴力相談支援センターのほか、地域の女性センターや男女共同参画センターにも、相談窓口が設置されています。まずは、匿名で相談してもいいですし、DVやデートDVを理解するための講座など、情報の案内を求めてみるのもいいと思います。
最後に、被害者同士が「つながる」ことでも、勇気をもらえます。被害者同士が語り合う自助グループに参加するのもいいでしょう。インターネット上には、DV被害者が語り合えるサイトやSNSもたくさんあります。そうした集団や場にアクセスしてみるのも一つの方法です。