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軟鉄鍛造アイアンの現在

軟らかい打感が特徴で、上達志向のゴルファーにとって、特別な存在ともいえる軟鉄鍛造製アイアン。最近では、異素材を組み合わせた斬新なものなど、多くのモデルが生まれています。進化を続ける軟鉄鍛造アイアンの現在を紹介します。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

上級者の証明、軟鉄鍛造アイアン

X-BLADE 905

ブリヂストンのマッスルバックアイアン「TOURSTAGE X-BLADE 905」

ゴルフクラブの中でも、上達志向のゴルファーにとって、軟鉄鍛造アイアンは特別な存在です。
上級者向けのクラブとして変わることにない信頼を得ており、プロの世界でも、大多数のゴルファーが軟鉄鍛造アイアンを使用しています。海外でも「Forged」(鍛造)のアイアンを指定するトッププレーヤーは多いのです。

日本人ゴルファーの軟鉄鍛造へのこだわりは、格別なものがあります。
「軟鉄」といういかにも軟らかそうな語感と、刀鍛冶を思わせる「鍛造」という響きが、ゴルファーの心を刺激するようです。

カリスマ的な人気を持つジャンボ尾崎プロが、ブリヂストン「Jumbo MTNIII」アイアンをはじめ、自らのクラブへのこだわりを具現化したモデルを多く世に送り出しました。
また、中嶋常幸プロもミズノ「TN87」アイアンをはじめ、切れ味の鋭い、その後の軟鉄鍛造アイアンのイメージを決定づけるような名器を生み出しました。「TN87」は、タイガー・ウッズの使用アイアンの原型になったとも言われています。

日本には、兵庫県を中心に優れた鍛造工場があり、内外のゴルフメーカーのクラブを製造してきた歴史があります。近年は、コストや職人さんの確保などの問題から、海外に製造拠点を移すメーカーが増えていますが、現在も、熟練工による優れた精度と蓄積された技術を特徴としています。
こうしたことも、日本人ゴルファーが、軟鉄鍛造を愛する理由の一つでしょう。

この20年で、ドライバーのヘッドの大きさは、2倍以上になりました。
それに比べると、アイアンの、特に上級者向けの軟鉄鍛造アイアンの変化は、なかなか分かりにくいものがあります。しかし、時代を超えてゴルファーに愛され、また初心者ゴルファーにとっては憧れであり続けています。

そして、近年はこれまでの軟鉄鍛造のイメージを変える新しいモデルも続々生まれています。
今回は、そんな軟鉄鍛造アイアンの現状を紹介いたします。

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